書籍出版
古典の中の地球儀 海外から見た日本文学
発売日:2022.03.31
定価:2,860円
サイズ:四六判
ISBNコード:978-4-7571-4360-9
この本の内容
【 叢書「人文知の復興」 】
古来、日本文学は、インドや中国、朝鮮半島、また東南アジア、欧米など、いつも外来の文化や宗教の受容を経て、独自の世界を育んできた。21世紀に入って、グローバル化とインターネットを通じた研究ネットワークは、そうした日本の古典文学の新たな側面を発見することに貢献してきた。
そしていま、コロナ禍とそれに伴うデジタル化の加速は、古典文学研究の視界を、もう一度、一変することになった。世界とネットを自在にサーフしながら、大波小波を乗りこなす、瞠目すべき、古典文学研究の最前線。
古くて、新しい、古典文学の世界に、いざともに旅立とう!
古来、日本文学は、インドや中国、朝鮮半島、また東南アジア、欧米など、いつも外来の文化や宗教の受容を経て、独自の世界を育んできた。21世紀に入って、グローバル化とインターネットを通じた研究ネットワークは、そうした日本の古典文学の新たな側面を発見することに貢献してきた。
そしていま、コロナ禍とそれに伴うデジタル化の加速は、古典文学研究の視界を、もう一度、一変することになった。世界とネットを自在にサーフしながら、大波小波を乗りこなす、瞠目すべき、古典文学研究の最前線。
古くて、新しい、古典文学の世界に、いざともに旅立とう!
目次
はじめに
第1章 本をツナグ/知をツナグ? ―大英図書館のソファから
1 本棚の歴史と鎖でつながれた本
2 「ツナグ」とは ―『源氏物語』柏木の妄執と猫の綱
3 本を「ツナグ」とは ―デジタルライブラリーと同時代性
4 海外と「ツナグ」 ―バイアスこそ文化なれ
第2章 『平家物語』と『ハイドリオタフィア』 ―夏目漱石とベネディクト・アンダーソンを「ツナグ」もの
1 夏目漱石というベストセラー
2 『想像の共同体』の国民文学―『平家物語』と『ハイドリオタフィア』
3 『ハイドリオタフィア』と夏目漱石
4 『ハイドリオタフィア』と音楽のメタファー
5 擬人化という問題へ
第3章 煙たい月は泣いているのか? ―日本文化と擬人化の一面
1 月の顔の擬人化
2 顔を描く月と近代
3 宮澤賢治の下弦の月
4 二つの月 ―信仰の月と科学の月
5 月世界旅行をめぐって
6 月との距離 ―古典文学の月
7 近代の月/煙たい月
8 花王石鹼の月 ―月の顔の近代と現代
9 宮沢賢治の泣きながら昇る月 ―花王石鹼との重なり
10 月の光と繁栄の証しとしての煙
第4章 視覚文化と古典文学 ―スパイラルなクロニクル
1 一九五一・五二〜六三年というエポック
2 映画と絵巻のアナロジー
3 カラーであること/カラーではないこと ―絵巻と説話文学
4 伝承と文字との出会い ―躍動する民衆の時代性
5 柳田國男と〈笑い〉
6 映像メディアと説話文学
第5章 芥川龍之介と『今昔物語集』の風景
1 『羅生門』の玉手箱 ―「鈴鹿本今昔物語集」のことなど
2 『今昔』説話と芥川龍之介『羅生門』そして黒澤映画との関係
3 芥川龍之介「今昔物語鑑賞」というエポックと月の兎の捨身譚
4 芥川龍之介の書架と『今昔物語集』の世界の好悪
5 孝と捨身と ―震旦と天竺の思想の齟齬
6 『今昔物語集』天竺部の親子観と孝養
7 『今昔物語集』に見る孝養と菩薩行の連続と非連続
8 菩薩行と孝養の反転する機制
9 芥川の晩年と捨身譚 ―宗教との相克
第6章 〈妊娠小説〉としての『源氏物語』とブッダ伝
1 「妊娠小説」という定義と『源氏物語』
2 『源氏物語』の妊娠小説 ―その一 桐壺帝・光源氏・藤壺
3 『源氏物語』の妊娠小説 ―その二 光源氏・柏木・女三の宮
4 ブッダ伝と光源氏
5 ブッダ伝と「妊娠小説」
6 『源氏物語』と羅睺羅懐胎との直接的関連
7 南伝の伝承が示唆すること ―ブッダ伝に秘められたもう一つの「妊娠小説」
8 〈妊娠小説〉から夢の文化へ
第7章 夢と日本文化
1 夢ということば ―それはビジョンかドリームか
2 聖者の夢/古代の夢 ―夢の日本文化概観
3 夢を描く ―夢文化の歴史性
4 日本の近代文化と夢 ―フロイトの出現
5 フロイトの衝撃から現代の夢の視覚化へ
6 フキダシをめぐる夢の形象 ―現代的表象と歴史的背景
7 フキダシの絵と文字
8 フキダシの未来学と問題提起など ―おわりに代えて
付記 旅のフローチャート ―描きかけの地球儀から
おわりに
第1章 本をツナグ/知をツナグ? ―大英図書館のソファから
1 本棚の歴史と鎖でつながれた本
2 「ツナグ」とは ―『源氏物語』柏木の妄執と猫の綱
3 本を「ツナグ」とは ―デジタルライブラリーと同時代性
4 海外と「ツナグ」 ―バイアスこそ文化なれ
第2章 『平家物語』と『ハイドリオタフィア』 ―夏目漱石とベネディクト・アンダーソンを「ツナグ」もの
1 夏目漱石というベストセラー
2 『想像の共同体』の国民文学―『平家物語』と『ハイドリオタフィア』
3 『ハイドリオタフィア』と夏目漱石
4 『ハイドリオタフィア』と音楽のメタファー
5 擬人化という問題へ
第3章 煙たい月は泣いているのか? ―日本文化と擬人化の一面
1 月の顔の擬人化
2 顔を描く月と近代
3 宮澤賢治の下弦の月
4 二つの月 ―信仰の月と科学の月
5 月世界旅行をめぐって
6 月との距離 ―古典文学の月
7 近代の月/煙たい月
8 花王石鹼の月 ―月の顔の近代と現代
9 宮沢賢治の泣きながら昇る月 ―花王石鹼との重なり
10 月の光と繁栄の証しとしての煙
第4章 視覚文化と古典文学 ―スパイラルなクロニクル
1 一九五一・五二〜六三年というエポック
2 映画と絵巻のアナロジー
3 カラーであること/カラーではないこと ―絵巻と説話文学
4 伝承と文字との出会い ―躍動する民衆の時代性
5 柳田國男と〈笑い〉
6 映像メディアと説話文学
第5章 芥川龍之介と『今昔物語集』の風景
1 『羅生門』の玉手箱 ―「鈴鹿本今昔物語集」のことなど
2 『今昔』説話と芥川龍之介『羅生門』そして黒澤映画との関係
3 芥川龍之介「今昔物語鑑賞」というエポックと月の兎の捨身譚
4 芥川龍之介の書架と『今昔物語集』の世界の好悪
5 孝と捨身と ―震旦と天竺の思想の齟齬
6 『今昔物語集』天竺部の親子観と孝養
7 『今昔物語集』に見る孝養と菩薩行の連続と非連続
8 菩薩行と孝養の反転する機制
9 芥川の晩年と捨身譚 ―宗教との相克
第6章 〈妊娠小説〉としての『源氏物語』とブッダ伝
1 「妊娠小説」という定義と『源氏物語』
2 『源氏物語』の妊娠小説 ―その一 桐壺帝・光源氏・藤壺
3 『源氏物語』の妊娠小説 ―その二 光源氏・柏木・女三の宮
4 ブッダ伝と光源氏
5 ブッダ伝と「妊娠小説」
6 『源氏物語』と羅睺羅懐胎との直接的関連
7 南伝の伝承が示唆すること ―ブッダ伝に秘められたもう一つの「妊娠小説」
8 〈妊娠小説〉から夢の文化へ
第7章 夢と日本文化
1 夢ということば ―それはビジョンかドリームか
2 聖者の夢/古代の夢 ―夢の日本文化概観
3 夢を描く ―夢文化の歴史性
4 日本の近代文化と夢 ―フロイトの出現
5 フロイトの衝撃から現代の夢の視覚化へ
6 フキダシをめぐる夢の形象 ―現代的表象と歴史的背景
7 フキダシの絵と文字
8 フキダシの未来学と問題提起など ―おわりに代えて
付記 旅のフローチャート ―描きかけの地球儀から
おわりに