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講座公的規制と産業 第二巻都市ガス 

講座公的規制と産業 第二巻都市ガス 植草益/横倉尚 編

植草益/横倉尚 編

発売日:1994.04.21
定価:4,592円
サイズ:A5判
ISBNコード:4-87188-287-X

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この本の内容

産業組織、供給体制、公的規制、事業多角化、エネルギー競合、国際エネルギー事業等、日本の都市ガス産業の実態と環境を総合的にとらえ、「規制改革」の方向と課題を示す。

目次

『講座・公的規制と産業』編集にあたって
序章 本書の目的と課題 植草益・横倉尚
  1.都市ガス産業の特徴と課題
  2.本書の構成
第1章 日本の都市ガス産業――その歴史と現状 横倉尚
 第1節 はじめに
 第2節 都市ガス産業の発展過程
  1.概観
  2.戦後復興から高度成長へ(第1期)
  3.都市ガス産業の展開と原料転換(第2期)
  4.LNG時代の都市ガス産業(第3期)
 第3節 都市ガス産業の産業組織
  1.概観
  2.都市ガス産業の産業構成
  3.需要構造とその変化
  4.原料構成の変化とその変化
  5.費用構造と費用水準
  6.料金とその変化
  7.事業構造
 第4節 都市ガス産業の新たな展開――むすびに代えて
第2章 欧米の都市ガス産業の産業組織と規制政策 横内稔
 第1節 概要
 第2節 アメリカの都市ガス産業
  1.産業組織
  2.法規制
  3.競争の促進
 第3節 イギリスの都市ガス産業
  1.産業組織
  2.法規制
  3.競争の促進
 第4節 フランスの都市ガス産業
  1.産業組織
  2.法規制
  3.競争の促進
 第5節 ドイツの都市ガス産業
  1.産業組織
  2.法規制
  3.競争の促進
 第6節 EC(European Communities)と都市ガス産業
  1.ヨーロッパエネルギー市場の動向
  2.EC統合市場における天然ガス政策
第3章 費用分析――規模の経済性を中心に 竹中康治・浦野浩
 第1節 はじめに
 第2節 規模の経済性の意味と測定方法
 第3節 東京ガスの費用構造
 第4節 大手・中堅事業者の費用構造
 第5節 中小事業者の費用構造
 第6節 おわりに
 付論
第4章 規制政策――その枠組みと展開 横倉尚
 第1節 はじめに
 第2節 規制政策の展開
  1.「報償契約」と旧ガス事業法
  2.ガス事業法の制定
  3.ガス事業法の改正
 第3節 規制政策の枠組み――規制の内容と組織
  1.ガス事業法による規制の内容
  2.規制政策の実施等の組織
 第4節 新たな規制方式――ヤードスティック規制の提案
  1.問題の所在と基本的な考え方
  2.ヤードスティック規制の方法
  3.新たな規制方式の機能と問題点
 第5節 規制政策の課題――結びに代えて
第5章 料金規制の理論と実際 白石芳弘・佐藤治正
 第1節 料金規制の実際
  1.料金決定原則と料金算定
  2.都市ガスの料金水準と料金体系
 第2節 都市ガス規制環境の変化
  1.エネルギー間競争の進展
  2.都市ガス供給構造の変化
  3.天然ガスの重要性の高まり
 第3節 規制政策の枠組み――規制の内容と組織
  1.供給規定料金の課題
  2.負荷調整契約料金の課題
 第4節 現行料金制度の課題
  1.複数サービスを提供する公益事業の料金規制
  2.競争下の料金規制
 第5節 料金規制緩和政策の理論的検討
  1.エネルギー競合と料金規制緩和
  2.参入自由化に伴う問題点
  3.段階的(限定的)参入自由化
  4.卸供給料金の規制
第6章 多角化戦略と兼業規制 鈴間能成・佐々木實雄
 第1節 都市ガス事業の兼業状況
  1.兼業規制
  2.兼業許可状況
  3.兼業規制の今後のあり方
 第2節 都市ガス事業の関係会社展開
  1.出資規制
  2.関係会社の展開状況(全事業者レベル)
  3.大阪ガスのケース
 第3節 兼業規制の経済分析
  1.兼業と多角化の区分
  2.兼業のための条件
  3.多角化のための条件
  4.兼業規制下の多角化
 第4節 参入障壁としての兼業規制
第7章 エネルギーのカスケード利用とコージェネレーション 柏木孝夫・竹中康治
 第1節 わが国のエネルギー需要構造の改革
 第2節 カスケード利用の概念とエクセルギー
  1.エクセルギーとは何か
  2.カスケード利用とその優位性
 第3節 コージェネレーションとその普及上の課題
  1.コージェネレーションシステムの特徴
  2.コージェネレーションの普及状況
  3.コージェネレーションシステムの構成
  4.普及上の課題と制度上の施策
 第4節 都市におけるエネルギー利用の将来
 補論 コージェネレーション市場の規模の推計
第8章 国際エネルギー情勢と天然ガス 末次克彦
 第1節 都市ガス産業とLNG
 第2節 日本の長期LNG需給見通し
  1.幅のあるいくつかのシナリオ
  2.原子力発電の動向とLNG需要
 第3節 極東のLNG需給見通し
  1.韓国のLNG需給の見通し
  2.台湾のLNG需給の見通し
 第4節 LNG価格の見通し
  1.LNG価格の上昇インパクト
  2.LNG価格変動とエネルギー市場の変化
 第5節 アジア・太平洋LNG市場の新局面
  1.新規プロジェクトをめぐる産ガス国・消費国の関係
  2.LNG価格論議の進展
第9章 パイプラインの展開 鳥原光憲
 第1節 日本におけるパイプラインの状況
  1.概況
  2.都市ガスのパイプライン
  3.国産天然ガスのパイプライン
  4.卸売事業の規模と販売方法
 第2節 海外におけるパイプラインの状況
 第3節 わが国における天然ガスパイプラインの意義
  1.わが国における天然ガス普及の現状と将来
  2.天然ガス広域輸送パイプラインの意義
 第4節 わが国におけるパイプライン構想
  1.天然ガス供給基盤懇談会
  2.アジア・太平洋エネルギー共同体構想
  3.三大都市圏連携パイプライン構想
  4.新潟~仙台パイプライン計画
 第5節 パイプライン事業の経済性
  1.パイプライン輸送の物理的特質
  2.パイプライン事業の特質
  3.パイプライン事業の経済性確保
 第6節 パイプライン事業の今後の展開
  1.広域輸送パイプラインの展開
  2.都市ガス産業への影響
第10章 都市ガス産業の成果と課題 植草益
 第1節 都市ガス産業の成果
 第2節 都市ガス産業の課題
  1.内々価格差の縮小
  2.規制緩和
  3.おわりに
索引

著者紹介

植草 益(うえくさ ます)
東洋大学経済学部教授、東京大学名誉教授、経済学博士。専攻、産業組織論、公的規制論。
《主要著書》『産業組織論』(筑摩書房、1982年)、『産業融合』(岩波書店、2000年)、 『現代産業組織論』(編著、NTT出版、2002年)。
横倉 尚(よこくら たかし)
武蔵大学経済学部教授。専攻、産業組織論。
《主要著書》『日本の産業政策』(「中小企業」執筆、東京大学出版会、1984年)、『現代社会の経済政策』(「寡占経済体制と産業組織」執筆、有斐閣、1985年)