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誘惑される意志 人はなぜ自滅的行動をするのか

誘惑される意志 ジョージ・エインズリー 著

ジョージ・エインズリー 著

山形浩生 訳

発売日:2006.08.29
定価:3,080円
サイズ:四六判
ISBNコード:4-7571-6011-9

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この本の内容

人はなぜ迷い、後悔するのか? お酒・タバコ・ギャンブル、甘いもの……。目先の欲望に支配されてしまう人間の本質を「双曲割引」によって解明し、意志の根源にせまる驚愕の一冊。

目次

第1部 意志を分解してみると:アクラシアの謎
第1章 はじめに
1.1 自滅的な行動の小史
1.2 自滅的な行動の研究方法
1.3 まとめ
第2章 意志決定の科学の根底にある二律背反:人の選択を司るのは欲望か判断か?
2.1 中毒というのはまちがった選択なのか、それともごく普通の選好なのか?
2.2 中毒は通常の動機の法則に違反するプロセスからくるのだろうか?
2.3 まとめ
第3章 人の未来評価にはギャップがある
3.1 未来事象を割り引く双曲線
3.2 双曲割引が持つ意味合い
3.3 双曲割引の適応性
3.4 まとめ
第4章 そのギャップが自発的でない行動を生み出す:痛み、渇望、感情
4.1 一時的選好の持続期間
4.2 利益は選択を求めて競合する
4.3 感情は一種の欲求だが、対象を持たない
4.4 まとめ

第2部 意志を分解してみると:異時点間取引の構成要素
第5章 利益の基本的な相互作用
5.1 ある利益が別の利益を縛るには
5.2 まとめ
第6章 内的利益同士の高度な交渉
6.1 明確な一線
6.2 「合理的」評価を近似する
6.3 まとめ
第7章 異時点間の交渉を主観的に体験する
7.1 なぜ人は自分自身と交渉していることに気づかないのか?
7.2 異時点間の交渉は手間がかかりすぎる?
7.3 あらゆる選択のたびに、自己コントロールの期待すべてを賭けなくてはならないのだろうか?
7.4 まとめ
第8章 非線形動機システムの証拠
8.1 直接的な実験からの証拠
8.2 人間同士の類比からの証拠
8.3 志向に関する思考実験からの証拠
8.4 まとめ

第3部 最終的な意志の分解:成功は最大の失敗
第9章 意志力が裏目に出るとき
9.1 意志力の副作用
9.2 意志の副作用をめぐる現実的な意義
9.3 まとめ
第10章 効率の高い意志は欲求をつぶす
10.1 感情の制約という謎
10.2 まとめ
第11章 欲求を維持する必要性が意志を圧倒する
11.1 事実の構築という謎
11.2 代理体験の謎
11.3 間接性の謎
第12章 結論

著者紹介

ジョージ・エインズリー(GEORGE AINSLIE)
フィラデルフィアのテンプル大学教授。専門は精神医学。
Veterans Affairs Medical Center(退役軍人病院)のチーフ精神病医。
著書に、Picoeconomics(Cambridge University Press, 1992)がある。


訳者
山形 浩生 (やまがた ひろお)
訳書に、『CODE』『コモンズ』『FREE CULTURE』(ローレンス・レッシグ)『創発』(スティーブン・ジョンソン)『クルーグマン教授の経済入門』(ポール・クルーグマン)『自由は進化する』(デネット)など多数。