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新 基礎情報学 機械をこえる生命

新 基礎情報学 西垣通 著

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西垣通 著

発売日:2021.06.11
定価:2,750円
サイズ:A5判
ISBNコード:978-4-7571-0399-3

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この本の内容

反ホモ・デウスのために―トランス・ヒューマニズムとデータ至上主義の誤謬を証し、ディストピアを回避する方途を理論的に探る、〈基礎情報学〉の決定版。多様な人間/生命が息づく未来に向け西垣情報学理論の集大成。

目次

序論 反ホモ・デウスのために
 復活したトランス・ヒューマニズムの亡霊
 AIをめぐる難題と混乱
 二つのパラダイムそしてネオ・サイバネティクス
 基礎情報学から見た“人間=機械〝複合系〟
 本書の構成


第Ⅰ部 基礎情報学にいたるアプローチ/情報と意味創出

第1章 ネオ・サイバネティクスの誕生
 1・1 情報をめぐる二つのパラダイム
 1・2 論理主義とコンピューティング・パラダイム
 1・3 コンピュータと情報理論
 1・4 サイバネティック・パラダイムの端緒
 1・5 多元宇宙の哲学
 1・6 二次サイバネティクスと構成主義

第2章 ネオ・サイバネティクスの展開
 2・1 オートポイエーシス理論
 2・2 機能的分化社会理論
 2・3 ラディカル構成主義心理学
 2・4 システム文学論


第Ⅱ部 基礎情報学の核心/生命にもとづく情報学

第3章 APSからHACSへ
 3・1 情報を定義する
 3・2 生命情報/社会情報/機械情報
 3・3 HACS
 3・4 情報/コミュニケーション/メディア
 3・5 プロパゲーション
 3・6 個人と社会の知識形成
 3・7 新たな発展へ

第4章 新実在論と生命哲学
 4・1 情報学的転回
 4・2 新実在論の台頭
 4・3 生命論からの考察
 4・4 内部観測


第Ⅲ部 人間のための情報技術/AIという衝撃

第5章 AIの論理と誘惑
 5・1 AIのもたらす「偽―情報学的転回」
 5・2 トランス・ヒューマニストたちの主張
 5・3 ホモ・デウスが到来するとき
 5・4 情報圏という罠
 5・5 この国のAIアプローチ

第6章 データ至上主義からの脱出
 6・1 情報学と物質科学の違い
 6・2 ホモ・デウスを拒む
 6・3 二つのパラダイムの接点
 6・4 AI時代の癒し
 6・5 AIのコントロール
 6・6 AI時代の自律性
 6・7 次世代の情報教育

あとがき
索引

著者紹介

西垣通(にしがき・とおる)
1948年生まれ。東京大学工学部計数工学科卒業。工学博士。日立製作所、スタンフォード大学にてコンピュータ・システムの研究開発に携わったのち、明治大学教授、東京大学大学院情報学環教授、東京経済大学コミュニケーション学部教授を歴任。東京大学名誉教授。専攻は、情報学・メディア論。
主な著作に、『AI―人工知能のコンセプト』(講談社現代新書、1988年)、『デジタル・ナルシス―情報科学パイオニアたちの欲望』(岩波現代文庫、サントリー学芸賞、1991年)、『マルチメディア』(岩波新書、1994年)、『思想としてのパソコン』(編著、NTT出版、1997年)、『こころの情報学』(ちくま新書、1999年)、『基礎情報学―生命から社会へ』(NTT出版、2004年)、『続 基礎情報学―「生命的組織」のために』(NTT出版、2008年)、『生命と機械をつなぐ知―基礎情報学入門』(高陵社書店、2012年)、『ビッグデータと人工知能―可能性と罠を見極める』(中公新書、2016年)、『AI原論―神の支配と人間の自由』(講談社選書メチエ、2018年)、『AI倫理―人工知能は「責任」をとれるのか』(河島茂生との共著、中公新書ラクレ、2019年)など。主な訳書(監修)に、レジス・ドブレ『一般メディオロジー講義』(NTT出版、2001年)、エルンスト・フォン・グレーザーズフェルド『ラディカル構成主義 』(NTT出版、2010年)などがある。