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中国の情報通信革命 

中国の情報通信革命 エリック・ハーウィット 著

エリック・ハーウィット 著

三宅功 監訳

高杉耕一/黒川章 訳

発売日:2011.12.08
定価:3,080円
サイズ:A5判
ISBNコード:978-4-7571-0313-9

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この本の内容

近年、中国の情報通信市場は急激に発展している。社会主義市場経済の中で、国有企業同士の競争を作り出すために政府が果たした役割や外国資本との関係構築をの動きを追うことで中国の産業組織が見えてくる初めての書。

目次

第1章 産業政策と中国の電気通信業界
     産業政策の枠組みと発展研究への応用
     産業政策の落とし穴
     中国の産業政策
     中国の電気通信産業セクターに関する諸研究
     論点

第2章 中国における電気通信の歴史と政策の軌跡
     電気通信の成長パターン
     清朝時代の通信回線建設、1960年代-1911年
     中華民国による通信網開発(1911-49年)
     毛沢東時代(1949-76年)の電気通信
     改革開放初期(1976-93年)の電気通信政策
     1993年以降の郵電部のリーダーシップ
     結論

第3章 1990年代-2000年代における電気通信セクターの競争
     電気通信セクターの競争パターン
     郵電部による独占の終焉――中国聯通(China Union)の創業期
     中国聯通の外国資本
     競争維持のための中央政府の規制
     1990年代半ばの中国聯通内部の問題点
     1998年、中国聯通の変身
     情報産業部の傘下で続く競争
     電気通信セクターの新規参入者
     中国鉄道通信情報と中国衛星通信――小規模競合者
     中国網通――固定回線サービスへの新規参入者
     WTO加盟の影響と対外進出
     テクノロジーの進歩――3G携帯電話規格と新たな競争社会
     結論

第4章 中国のインターネットと政策
     データ通信網建設のパターンと政府の役割
     中国におけるデータ通信網の敷設と管理
     インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)の成長と管理
     インターネットのコンテンツ――規制
     インターネットのコンテンツ――商業セクターの成長
     インターネットユーザーのプロファイルと社会的影響
     結論

第5章 通信網の建設――通信機器企業の役割
     毛沢東(Mao Zedong)時代(1949-76)の通信機器製造
     毛沢東後の機器製造改革
     1980年代および90年代における通信機器セクターの外国資本
     中国企業の挑戦――グレート・ドラゴン、ZTE、華為技術
     ZTE――中国のサクセスストーリー
     華為技術――民間セクターの主役
     2000年代の発展――移動体通信とインターネット用機器
     結論

第6章 上海の電気通信産業――市政府の役割に関する事例
     市政府の電気通信行政
     上海の電気通信セクター、1970年代までの成長
     1980年代と90年代における主要な全国戦略
     市政府の政策と電気通信拡大イニシアチブ
     上海市政府系の電気通信投資会社
     上海の電気通信セクターにおける外国資本――上海聯通とAT&Tの役割
     上海市のインターネット管理――イーストディ(東方網)のケース
     上海市の電気通信セクターがたどった道筋、発展途上都市への教訓

第7章 電話とインターネットのデジタルデバイド
     発展途上地域への電気通信の普及――中国のケースに関係するこれまでの諸研究と背景
     中国における「デバイド」の定義
     農村部における電気通信の開発、1950年代-21世紀
     通信デバイドへの対応をめぐる課題と議論――市場原理vs政府介入
     インターネット利用のデジタルバイド
     農村部へのデジタルデータ接続普及の問題点
     都市部・農村部のデジタルデバイドと通信デバイドを是正するプログラム
     コスト低減、新技術、デジタルバイドの今後

第8章 産業政策と電気通信改革の教訓

著者紹介

【著者】 エリック・ハーウィット:ハワイ大学アジア学部教授。元・愛知大学国際中国学研究センター訪問教授。 研究分野は中国の電気通信産業・自動車産業。

【監訳者】
三宅 功:NTTデータ先端技術(株)代表取締役社長(前・NTT情報流通基盤総合研究所所長)。