つながる脳

藤井直敬 著
芹澤泰偉 装丁

発売日
2009.05.15
定価
2,420円
サイズ等
四六判 288ページ (上製)
ISBNコード
978-4-7571-6042-2

内容

Overview

脳科学には大きな4つの壁がある。科学者たちはいかにしてこれを乗り越えようとしているのか。脳科学は人を幸せにできるのか。脳と社会の関係性から脳の解明を目指す。第63回毎日出版文化賞受賞。

目次

Index

第1章 脳科学の四つの壁
脳科学と社会
社会性研究という希望
脳科学の四つの壁
技術の壁
スケールの壁
こころの壁
社会の壁

第2章 社会脳研究で壁をこわす
挑戦開始
研究のフレームを作る
個体内適応機能
スケールに立ち向かう
社会性脳研究の第一歩
抑制こそ社会性の根本である
初めての社会性脳機能測定
社会空間認知と適応機能
抑制から社会を考える
選択的抑制機能と社会的適応知性

第3章 適応知性解明に向けて
脳科学の壁を壊す四つの試み
大規模記録手法開発による汎脳機能理解
習慣的脳機能表現の客観的理解
社会的意思決定のメカニズム解明
脳機能からみた社会の仕組み解明

第4章 仮想空間とヒト
ヒトの社会的脳機能を探ろう
“賢い”生き物はヒト以外にもたくさんいる
発達とココロ
仮想空間という実験場
仮想と現実の境界
やってみたいと思っている課題
身体の恒常性と脳機能計測
仮想空間の可能性

第5章 ブレイン-マシン・インターフェイス
生物学と脳科学
情報と操作
ブレイン-マシン・インターフェイス
BMI研究の最初の壁
ECoGという選択
初めてのデコーディング
転んでもただでは起きない
BMIによる操舵

第6章 脳と社会
ヒトと社会
しあわせなヒト
リスペクト経済

著者

Author

藤井直敬(ふじい・なおたか)
理化学研究所・脳科学総合研究センター適応知性研究チーム所属(チームリーダー)。
1965年広島生まれ。東北大学医学部卒業。眼科にて初期研修の後、同大学院を丹治順教授の指導により修了。神経科学の基礎を修める。1998年からマサチューセッツ工科大学でシニアリサーチサイエンティストとして勤務。
著書に『予想脳』(岩波科学ライブラリー)、『脳研究の最前線』(上・下、講談社ブルーバックス、共著)がある。