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蒸気機関車200年史 

蒸気機関車200年史 斎藤晃 著

斎藤晃 著

発売日:2007.03.29
定価:4,620円
サイズ:B5判変型
ISBNコード:978-4-7571-4151-3

品切れ

この本の内容

蒸気機関車の誕生からその終焉までの2世紀の歴史を追う研究書。これまでの単に趣味的、資料的な本とは一線を画し、19、20世紀機械文明の一歴史としての意味を明確にする。

目次

まえがき

第1章 初めて機関車が動いた200年前
1―1 ウエールズに昇った煙
1―2 トレビシックの機関車
1―3 早すぎた無念の撤退

第2章 夜明け前――蒸気機関の100年
2―1 真空パワーの認識
2―2 シリンダとピストン
2―3 ジェームス・ワット
2―4 自ら動く動力への道

第3章 黎明期の機関車
3―1 鉄道とは何
3―2 実用機関車の登場
3―3 ジョージ・スチーブンソン
3―4 炭鉱向け機関車の性能
3―5 鉄道建設への参入
3―6 機関車メーカーの設立
3―7 ロコモーション号
3―8 開通式
3―9 仕様と問題点

第4章 蒸気機関車の自立
4―1 リバプール・マンチェスター鉄道
4―2 新しい設計とロバート
4―3 トライアルへの経緯
4―4 レインヒルトライアルとロケット号
4―5 対決
4―6 ロケットタイプの改良
4―7 開通式

第5章 シングルドライバー
5―1 プラネット号
5―2 パテンティー号
5―3 ブルネルと超広軌
5―4 高速機関車の計画
5―5 なぜ広軌を好むか
5―6 標準軌の対応
5―7 ゲージ戦争と機関車
5―8 広軌をどう見たか
5―9 クルータイプ
5―10 シングルドライバーの頂上期
5―11 クランプトン

第6章 アメリカン4―4―0
6―1 アメリカの黎明期
6―1―1 デラウエア&ハドソン
6―1―2 バルチモア&オハイオ
6―1―3 サウスカロライナ鉄道
6―1―4 モホーク&ハドソン
6―1―5 カムデン&アムボイ
6―2 機関車メーカー
6―3 4―2―0の発展
6―4 4―4―0の登場
6―5 4―4―0時代の列車速度
6―6 4―4―0時代の燃料
6―7 4―4―0のボイラ
6―8 4―4―0のフレーム
6―9 先台車

第7章 狭軌鉄道の登場
7―1 狭軌鉄道の模索
7―2 3フィート6インチの発祥
7―3 植民地への影響
7―4 イギリス国内の反応
7―5 60cmゲージ機関車
7―6 双頭機関車
7―7 狭軌鉄道の名声
7―8 各国の採用
7―9 日本の3フィート6インチ

第8章 バルブとバルブギア
8―1 レシプロ蒸気機関
8―2 Dスライドバルブの働き
8―3 「ラップ」「リード」「トラベル」
8―4 トリック・スライドバルブ
8―5 バランスド・スライドバルブ
8―6 ピストンバルブ
8―7 リンクモーション・バルブギア
8―8 ラジアル・バルブギア
8―9 ワルシャートバルブギア
8―10 ベーカー・バルブギア
8―11 3気筒と4気筒のバルブギア
8―12 ポペットバルトとそのバルブギア
6―13 バルブタイミング(回転式)

第9章 コンパウンド・エンジン
9―1 コンパウンド・エンジンとは
9―2 好まれない理由
9―3 コンパウンドの優位性
9―4 各国のコンパウンド対応
9―5 マレーによるコンパウンドの成功
9―6 3気筒コンパウンドとウエップ
9―7 ボールドウィンの奇策
9―8 バランスド・コンパウンド 
9―9 過熱蒸気とドイツのコンパウンド
9―10 ド・グレンとド・ブスケ(Du Bousquet)
9―11 コンパウンド・パシフィック

第10章 日本の蒸気機関車
10―1 日本の蒸気機関車総論
10―2 トレビシック等のお雇い外人
10―3 西部地区の機関車
10―4 国産機の夜明け前
10―5 国産第1号機
10―6 最先端を行く神戸工場
10―7 アメリカ機の導入
10―8 私鉄に好まれたアメリカ機
10―9 兵庫工場の岩崎
10―10 汽車会社 井上と平岡

第11章 国産機関車時代
11―1 過渡期に浮上したエース
11―2 国産初の設計
11―3 最後の大量輸入
11―4 マレー根づかず
11―5 本格的量産化の開始
11―6 もし改軌しても
11―7 C51登場
11―8 最後の見本C52
11―9 表幹線の花形C53
11―10 ライトパシの系列
11―11 後継の大型機C59
11―12 最後に出たハドソンC62

第12章 反映されるお国柄 その1 ドイツ形
12―1 お国柄を決めるもの
12―2 日本で馴染みのドイツ形
12―3 国鉄DRG以前
12―4 制式機関車
12―5 3気筒の高速機
12―6 夢破れた大型機
12―7 兵器となった機関車
12―8 戦後の改装
12―9 東ドイツ

第13章 お国柄その2 イギリス形
13―1 四大私鉄時代
13―2 GWRの4気筒機関車
13―3 LMSの3気筒機関車
13―4 GWRからの進化
13―5 LNERの3気筒機関車
13―6 どちらが最強か
13―7 A3への発展
13―8 流線型 A4
13―9 飽くなき挑戦
13―10 栄光の後継者たち
13―11 8ビート機関車
13―12 ブリードのアイディア
13―13 思わぬトラブル
13―14 国有化後
13―15 最後の輝き 

14章 お国柄その3 フランス
14―1 フランスの各鉄道
14―2 馴染み薄いフランス機
14―3 シャプロン鉄道に就職
14―4 シャプロンマジック
14―5 広まる改造の評価
14―6 フランス近代機のバトル
14―7 奇想天外な改造
14―8 こんな小さな機関車が
14―9 最高の性能にジェラシー
14―10 240Pと241P
14―11 アメリカ製の機関車
14―12 最後のプロトタイプ
14―12―1 6シリンダ機
14―12―2 242.A.1
14―13 果たせなかった夢
14―14 ノール鉄道の動き

15章 お国柄その4 アメリカ形
15―1 とにかく大きい
15―2 軸配列の進化
15―3 キャメルバック
15―4 平地の高速機アトランティック
15―5 広火室の普及は狭軌から
15―6 スーパーパワーを目指して
15―7 魔法の2軸従台車
15―8 急行用機関車にも
15―9 ローラーベアリングの採用
15―10 ハドソンの誕生
15―11 ペンシーの独自路線
15―12 貨物用デュ―プレックス
15―13 しかしT1は違う。
15―14 キング・オブ・パッセンジャー・ロコモティブ

第16章 残された道
16―1 文明国の去った後
16―2 ギースルエジェクター
16―3 ガス化燃焼システム
16―4 レッド・デビル
16―5 アメリカの夢
16―6 ACE3000
16―7 自動制御機構の難しさ
16―8 「リーダー」号の失敗
16―9 振り出しに戻って
16―10 ウォーデールの提案
16―11 蒸気機関車最後の帝国
16―12 残された技術の灯
16―13 夢の提案
16―14 蒸気機関車の余命

あとがき
国別蒸気機関車年表

著者紹介

斎藤 晃(さいとう あきら)
1931年生。
慶応義塾大学経済学部卒、1957年日産自動車入社、名古屋日産モーター、帯広日産・代表取締役、日産自動車中古車部、関係会社室部長、株式会社オーテック・ジャパン常務を経て現在、蒸気機関車研究家。慶應義塾大学鉄道研究会三田会事務局長も務める。鉄道雑誌等にも多数寄稿。わが国の鉄道ファン、鉄道ライターとして大御所的存在。
著書に『蒸気機関車の興亡』(NTT出版、97年交通図書賞受賞)、『蒸気機関車の挑戦』(NTT出版)