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需要縮小の危機 人口減少社会の経済学

需要縮小の危機 額賀信 著

額賀信 著

発売日:2005.12.15
定価:1,760円
サイズ:四六判
ISBNコード:4-7571-2169-5

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この本の内容

人口減少社会に関する論点は労働力不足が中心で、内需主導型の成長政策を採ってきた日本には最大の脅威であるはずの需要縮小への言及は少ない。貿易、観光、高齢者をキーワードに、日本企業の進路を示す。

目次

はじめに

第一章 「なぜ社会について考えるのか?」という問いに対する「正しい答え」とは違う答え方
「正しい答え」への戸惑い
宇宙からの眺めと地面の上の眺め
「役に立つ」から考える?
普通のことの謎と驚き
”うっとりと生きること”からの目覚め
「別の仕方で知ること」へ
[補説] 専門家であることと、生活者であること

第二章 私の中の社会
考えるための補助線
政治、経済、社会問題
私が先か、社会が先か
人、もの、土地、死者
「結び目」としての「私」
[補説]「野生児」は存在するか?

第三章 主観的なことと客観的なこと
「主観的なもの」が客観的に存在する
無宗教という宗教
林檎教
愛という規範
椅子の社会性
貨幣と物神性
[補説1]科学の客観性について
[補説2]シンクロニシティとユング心理学

第四章 うたっているのは誰?
言葉が人に話させる
歌の言葉は誰のものか?
「他者の言葉」と「うたう私」
憑依とモンタージュ
[補説]言語論的転回

第五章 言葉の海、物の海、出来事の海
社会が椅子の中にある?
観念のネットワーク
言葉も物も出来事である
[補説]言説って何?

第六章 主体を生きること、身体を生きること
まだらな主体
生命過程の非主体性
ノンバーバル・コミュニケーション
言葉も身振りである
身体技術と間―身体性
[補説]身体論と身体の社会学

第七章 メディアの中に住む
「場」としての身体
つながりの媒体(メディア)
人と世界を仲立ちする
「虚構」という世界
メディアとしての場所や時
世界の重なりに住み込む
[補説]想像の共同体

第八章 第二の身体としてのメディアと技術
代行、拡張、変容
メディアとしての道具
メディアと歴史
機械という〈他者〉
不気味になる世界
[補説]技術論とメディア論

第九章 科学から魔術へ?
科学・技術の合理性
科学は宗教より”無知”である
透明さと不気味さと
さまざまな合理性
理解できないことを信じる
魔術化する科学技術
[補説]マックス・ヴェーバーと「古典」

第一〇章 スター、カリスマ、独裁者
ファシズムと全体主義
オカルトと超常性
スター、アイドル、ブランド
カリスマの魅力
誰が”すごさ”を生み出すのか?
「お客様は神様です」
”すごさ”が世界を作り出す

第一一章 鏡と欲望
「誰か」の欲望を模倣する
欲望の三角形
人間は真似をする動物である
「社会の鏡」としての人間
従属する主体、模倣する主体
[補説]社会と心

第一二章 欲望を欲望する
投機とバブル
他者の欲望を欲望する
使用価値と交換価値
お金の価値とは何か
お金が欲しいのはなぜ?
市場社会
[補説]市場と社会科学

第一三章 つながり、あつまり、ちらばり
「手切れ金」としての支払い
つながりとしてのちらばり
「つながり」の三つの形
あつまりのあつまり、あつまりの外側
大衆、公衆、群集
群集の中のつながり
コミュニケーションのコード
[補論]社会という言葉

第一四章 離れてあること、退きこもること
たまたまつながり、たまたまあつまる
家族や地域は本源的か?
死は無意味ではない
離れてあることの自由
離れてある場所としての学校
離れてあることの衰退

第一五章 社会学は何の役に立つのか?
社会学は役に立たない?
「役に立たないこと」は役に立たないのか?
遊びと恋愛
「役に立つこと」で理解する浅薄さ
手段的能動主義
戸惑いの知
最終解答なき問い
「社会学は役に立つ・・・」

補 私の社会学
学問にも相性がある
人は学問を選べるか?
私の学生時代
社会のうたう歌を読み解く
”私たち”の社会学
”リアルなプレイ”としての学問

読書案内

著者紹介

額賀 信(ぬかが まこと)
1946年群馬県生まれ。
70年東京大学法学部卒。同年日本銀行入行、76~78年オックスフォード大学留学、経済学修士卒(M.Phil取得)。96年神戸支店長。97年日本銀行退職。98年(株)ちばぎん総合研究所取締役社長。
主な著書に、『「過疎列島」の孤独』『「日本病」からの脱出』(以上、時事通信社)『観光革命』(日刊工業新聞社)など。