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テヅカ・イズ・デッド ひらかれたマンガ表現論へ

テヅカ・イズ・デッド 伊藤剛 著

伊藤剛 著

発売日:2005.09.26
定価:2,640円
サイズ:A5判
ISBNコード:4-7571-4129-7

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この本の内容

なぜ「マンガはつまらなくなった」という言説が一人歩きを始めたのか。テヅカ没後のマンガ批評界における「歴史の不在」を指摘し、これからのマンガ表現の可能性を「キャラとリアリティ」という視点から探る。

目次

はじめに

第一章 変化するマンガ、機能しないマンガ言説
 1-1 なぜマンガ言説は、現状に対応できないのか?
 1-2 「読み」の多様さとシステム論的分析の必要性
 1-3 マーケット分類とジャンル分類のあいだ
 1-4 「少年ガンガン」に見る言説の断絶
 1-5 誰が子どもマンガを「殺した」のか
 1-6 キャラクター表現空間のなかで

第二章 切断線を超えるもの――いがらしみきお『ぼのぼの』の実践――
 2-1 いがらしみきおの認識
 2-2 『ぼのぼの』と「動物化するポストモダン」
 2-3 「切断線」としての『ぼのぼの』
 2-4 「切断線」はどのように見いだされたか――マンガ表現をシステムとしてみる

第三章 「キャラクター」とはなにか
 3-1 「キャラ」とリアリティ
 3-2 『NANA』は「キャラ」は弱いけれど、「キャラクター」は立っている
 3-3 「キャラ」とはなにか
 3-4 「キャラ」からみるマンガ史――『地底国の怪人』が隠蔽したもの――

第四章 マンガのリアリティ
 4-1 マンガにおける近代的リアリズムの獲得
 4-2 「コマわり」とはなにか
 4-3 『新宝島』と「同一化技法」 竹内オサムが抱えたマンガの「近代」
 4-4 フレームの不確定性
 4-5 映画的リアリズム、「同一化技法」ふたたび
 4-6 少女マンガと「映画的」ではないリアリズム

第五章 テヅカ・イズ・デッド 手塚治虫という「円環」の外で
 5-1 手塚治虫という円環
 5-2 より開かれたマンガ表現史へ

おわりに マンガ・イズ・ノット・デッド

著者紹介

伊藤 剛(いとう ごう) 1967年名古屋市生まれ。マンガ評論家、編集者、日本マンガ学会会員。共著書に『網状言論F改』(青土社・東浩紀編 2003)などがある。「SPA!」でマンガ評を担当。「ぱふ」(雑草社)にて「ヒットまんがのしくみ」を隔月連載するほか、「ユリイカ」(青土社)などにも寄稿。