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「コマ」から「フィルム」へ マンガとマンガ映画

「コマ」から「フィルム」へ 秋田孝宏 著

秋田孝宏 著

発売日:2005.07.25
定価:2,640円
サイズ:A5判
ISBNコード:4-7571-0132-5

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この本の内容

マンガとアニメーションは元を同一にした表現であり、ともに発展してきた。本書は映画解析の手法を用いることで、両者の差異を読み解き、読者に提示しようという試みである。

目次

はじめに
第一章 アメリカのマンガ映画産業の優位性
 企業家と戦争/コミックストリップの存在
第二章 十九世紀の物語マンガ
 ルドルフ・テプフェル/クリストフ/ウィルヘルム・ブッシュ/イエロー・キッド
第三章 アメリカの初期映画文化
 コミックストリップと映画はほぼ同時期に成立した/見世物としての映画/小屋の観客/映画とコミック・ストリップ/ハーストのコミック・ストリップと映画の戦略
第四章 初期の物語マンガとマンガ映画の成立
 初期アニメーターとマンガ家/動く絵の仕掛けと映画/ジェームズ・スチュアート・ブラックトン/エミール・コール/ウィンザー・マッケイ/『猫のフェリックス』/ミッキーマウス以後
第五章 日本の初期マンガ映画
 黎明期/日本マンガ映画の先駆者/名前の読み方/下川凹天/幸内純一/凹天、幸内のコメント/その他の状況/横山隆一
第六章 マンガ映画とマンガの理論
 線の世界/個人制作が可能/マンガ家の眼/マンガ絵の特徴
第七章 一コマ撮り
 メタモルフォーゼ/時間の創造/素材の同質化
第八章 日本アニメのスタート
 手塚治虫――少年時代/手塚のマンガ映画/虫プロダクションと『鉄腕アトム』/週単位のリズム
第九章 マンガと映画のメディア比較
 「もどかしさ」/構図/時間/「もどかしさ」の正体
第十章 マンガの時間構造
 「目ざわり」と制度/「約束事」の世界/時間の構造/絵と「?」/実時間の符号化/音/視野の自由/愛の時間/時間の変形・誇張/コマの大きさと時間/コマの崩壊と浮遊する時間/実例『忍者武芸長』
第十一章 日本アニメとは何か
 日本アニメの特徴/マンガとアニメ、実例の検討
おわりに

著者紹介

秋田 孝宏(あきた たかひろ) 1965年生まれ。日本マンガ学会理事。東京工芸大・アニメ学科講師、川崎市市民ミュージアム臨時職員、日本工学院専門学校非常勤講師なども勤める。専門は漫画の理論とデータベース。