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エール大学の書斎から 経済学者の日米体験比較

エール大学の書斎から 浜田宏一 著

浜田宏一 著

発売日:1993.07.02
定価:1,760円
サイズ:四六判
ISBNコード:4-87188-228-4

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この本の内容

アベノミクスの原点、そして内閣官房参与の青春時代。ノーベル経済学賞に最も近いといわれる、エール大学名誉教授の青春時代から見えてくるもの。日米相互理解の障害を越えて、太平洋両岸へのメッセージ。

目次

第1章 クリントン政権の誕生
大統領選の争点
日本の政治との違い
アメリカの民主主義
最大の争点は経済問題
財政政策をめぐる論議
二重社会をどう解消するか

第2章 アメリカ留学、そして永住
コロラドの夏
アメリカ人との付き合い方
美しいニューイングランド
アメリカから学んだこと
実家が火事に遭う
審議会や委員会の効用
外国適応の難しさ
アメリカ人を妻に

第3章 対照的な日米学生気質
日本の学生の強さと弱さ
あまりに均質的な日本の教育
同化させる文化、個性を引き出す文化
輸入学問の国・日本
学業業績の評価基準
知的創造性は不得手
トービン先生の教え
留学生に二つのパターン
アメリカはほめて育てる
年齢を気にしない

第4章 大学組織にみる日米差
大学での不思議な体験
教授側にも責任がある
物不足時代のなごり
日本人のスピーチは長くて退屈
メモの多さに泣かされる
大統領はエイリー同士の争い
プロ野球コミッショナーになった総長
日本とアメリカの入試の違い
冠婚葬祭の日米比較

第5章 二重社会・アメリカ
犯罪に泣く人達
危険な国アメリカ
ホームレスの急増
福祉政策の限界
広がる所得格差
ロス暴動の教訓
ホワイトカラーの失業
賃金カットよりレイ・オフ
失業をめぐる議論

第6章 訴訟社会・アメリカ
角かどしくなった
契約をめぐるエピソード
法律科が幅をきかすアメリカ
PL訴訟の場合
権利主張社会とまあまあ社会
私の中での法律摩擦・文化摩擦
日米で違う市場経済ルール
金融・証券不祥事の見方
透明度の高いルールを
小売業の生産性比較
湯船をめぐるトラブル

第7章 消費者軽視の社会・日本
自動車をめぐる利害
為替レートと生活実感
不可解な日本の消費者運動
米価、電話料金、航空運賃
割高な銀行の手数料
輸入促進って何?

第8章 日米摩擦「いらだちの構造」
日米摩擦の経済的背景
あるべき経済政策
国内の利害対立との関連
三つの閉鎖性レベル
商慣習では反論を
日米精神構造の違い
日本社会の適応力
修正主義者の主張
外圧で日本経済は強くなる
「NO」と言うためには

第9章 日米共生に向けて
日米はどう助け合うか
建て前と本音の使い分け
明確なシグナルを
日本の平和主義をめぐる論議
海外派兵をめぐって
アジアのリーダーになれるか
朝河貫一のこと
アメリカの未来は暗くない
リーダーシップの条件

著者紹介

浜田宏一(はまだ・こういち)
1936年生まれ。エール大学名誉教授。内閣官房参与。
1958年、東京大学法学部卒業、60年、同経済学部卒業。65年、Ph.D. (エール大学)。
東京大学経済学部教授、エール大学経済学部教授、内閣府経済社会総合研究所長などを経て、現職。
法と経済学会の初代会長。
著書に、『アメリカは日本経済の復活を知っている』(講談社)、『損害賠償の経済分析』(東京大学出版会)、『モダン・エコノミックス(15)国際金融』(岩波書店)などがある。