日本の食と農
危機の本質
シリーズ日本の〈現代〉
神門善久 著
土屋 光 装丁
- 発売日
- 2006.06.26
- 定価
- 2,640円
- サイズ等
- 四六判 320ページ (上製)
- ISBNコード
- 4-7571-4099-1
内容
Overview

すさむ食生活。荒廃する優良農地。食と農の崩壊が進む真の原因は何か?
食と農という手近な問題を手がかりに、日本社会が陥っている集団的誤解を衝く。第28回サントリー学芸賞[政治・経済部門]受賞!
目次
Index
序章 日本の食と農
1 食と農を語る意味
2 行政バッシングの時代
3 蟻の目からのアプローチ
4 日本なのか日本人なのか?
第2章 食の議論の忘れもの
1 基礎学力問題と食の問題の類似性
2 食の安全・安心は古くから話題
3 食生活を乱したのは消費者自身
4 消費者のエゴ
5 地産地消、グリーン・ツーリズムの誤謬
6 食育の誤謬
7 安全と安心の違い
8 行政の組織防衛策としての「食の安全・安心」
9 食品安全基本法の功罪
10 ほんとうの食の改善とは?
11 社会保険料の食生活連動性の提言
第3章 迷宮のJA
1 農協とJA
2 JAの怪しさ
3 JAの組織と活動
4 JAの独断
5 零細農家のJA依存度の高まり
6 コメ政策とJA
7 法令違反はJAの日常活動の一部
8 高度経済成長支援システムとしてのJA
9 一九九〇年代以降のJAの変容
10 独立系農協の提言
付論 戦後日本の都市―農村間の所得再分配の教訓
第4章 農地と政治1(農地問題の構造)
1 梅畑の秘密
2 農地は宝くじ
3 農地転用規制の概要
4 農業委員会の欺瞞
5 農地税制の複雑・不透明性
6 農地は鎹(農家‐政治家‐農水省‐土建会社)
7 農地転用の実態
8 農地問題の本質が語られない理由
9 農地法と農業経営基盤強化促進法
第5章 農地と政治2(農地政策の行く先)
1 農地流動化の現状
2 マスコミによる情報操作
3 農民の嘘
4 悪魔のシナリオ
5 理想のシナリオ
6 転用権入札・課税自己評価の提言
7 農地政策における日本の先導的役割
8 農地問題は日本社会の試金石
付論 都市計画と農地利用計画
第6章 企業の農業参入?
1 流行の議論
3 企業と農業
3 企業による農業の歴史
4 企業参入賛成派の論議
5 企業参入反対派の論議
6 企業の農業参入の是非論が残したもの
結章 明日の食と農を見据えて
1 日本の農を世界に開放しよう
2 食を通じた国際貢献
3 農産物貿易の活性化
4 結語
注
謝辞
索引