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証券化と債権譲渡ファイナンス 

証券化と債権譲渡ファイナンス 高橋正彦 著

高橋正彦 著

発売日:2015.11.26
定価:4,620円
サイズ:A5判
ISBNコード:978-4-7571-2353-3

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この本の内容

「法と経済学」の新たな試み

金融取引としての債権譲渡は正面から議論されることは少なく、法律学と経済学の隙間に落ち込み、盲点になっている。そこで、金銭債権譲渡の形態をとるさまざまな金融取引の総称として、証券化より上位の概念である「債権譲渡ファイナンス」を提唱し、考察の対象と内容を証券化に限らず、よりいっそう拡充することで、民法学と金融論という水と油のような両分野を発展的に融合する。

書評掲載情報

証券アナリストジャーナル 2016年7月号 (2016年07月01日付)

目次

第1章 債権譲渡ファイナンス
 はじめに
 1 私法上の概念としての債権譲渡
 2 債権譲渡形態の金融取引の意義と類型
 3 債権譲渡ファイナンスへの分析視角
 4 債権譲渡取引の変容
 5 債権譲渡関連の立法
 6 将来債権譲渡に関する判例

第2章 証券化と金融システム
 はじめに
 1 資産流動化・証券化に関わる概念
 2 資産流動化・証券化の当事者にとってのメリット
 3 流動化・証券化の経済的機能――(1)リスクの移転とコントロール
 4 流動化・証券化の経済的機能――(2)金融システムへのインパクト
 5 世界金融危機と証券化

第3章 証券化と金融法制
 はじめに
 1 特定債権法に至る前史
 2 特定債権法と債権流動化
 3 特定債権法に続く流動化関連法制の整備
 4 特定債権法と他の流動化関連法
 5 日本版金融サービス法に向けた法制整備
 6 大立法の始まり
 7 商事信託法制としての新・信託法と新・信託業法
 8 証券取引法、金融商品取引法と有価証券概念
 9 民法(債権法)改正と債権譲渡
 10 債権譲渡に関連する論点

第4章 証券化と倒産法制
 はじめに
 1 倒産隔離性の法的構造
 2 ABSオリジネーター等の倒産事例
 3 新・破産法と証券化との関連

第5章 証券化と会計
 はじめに
 1 原債務者
 2 オリジネーター
 3 SPE
 4 投資家

第6章 証券化と税制
 はじめに
 1 証券化と消費税課税
 2 証券化におけるSPVと法人税課税

第7章 証券化と債権譲渡ファイナンスの新たな展開
 はじめに
 1 将来債権譲渡ファイナンスの拡大
 2 ABL
 3 プロジェクト・ファイナンス
 4 事業の証券化
 5 レベニュー債
 6 証券化と債権譲渡ファイナンスの今後の展望――結びに代えて

著者紹介

高橋正彦(たかはし・まさひこ)
1954年生まれ。横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授、京都大学経営管理大学院客員教授。
日本銀行勤務などを経て現職。
著書に『増補新版 証券化の法と経済学』(NTT出版)などがある。