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「文明」の宿命 

「文明」の宿命 西部邁/佐伯啓思/富岡幸一郎 編著

西部邁/佐伯啓思/富岡幸一郎 編著

発売日:2012.01.16
定価:1,728円
サイズ:四六判
ISBNコード:978-4-7571-4288-6

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この本の内容

「脱原発」「原発推進」の二項対立を超える思想の軸とは? 近代文明と科学技術の限界に直面しながら、なお未来を切り拓いていかねばならない現実を、どう乗り越えていくべきなのか。『危機の思想』に続く、保守思想家たちの論考集。

目次

1.危機統治からの逃走  西部邁
エゴへの執着――「文明の被害」への認識
危機管理は悪しき合理主義である――技術革新は人間社会の宿痾である
危機統治には国民組織が必要となる――国家の自立自尊とは
「危機の生」からの逃避――現代文明の全体的危機

2.「モア・メイ・ビー・ベター」の選択  東谷暁
恐るべき世界――「悪質な神話」の真偽
二人の論争――合理性と偶発性
奇妙な議論――苦しい論理
論者たちの倒錯――身勝手さと幼児性の露呈

3.保護領国家の運命  富岡幸一郎
「恐怖」による思考停止を超えて――自立した国家の戦略とは
「文明」の創造と一神教――平和的利己主義との訣別

4.議論以前に「安全強化」すべし  藤井聡
「クルマを使い続けるリスク」という問い――「安全運転」しか残されていない
同じ「基本的な問題構造」――あたりまえの「安全強化」を早急に
モータリゼーションによる風土破壊――伝統・風土破壊を阻止するために熟議より先にすべきこと

5.危機の思想と、思想の危機  中野剛志
思想と実践――第一義的には技術の問題
エネルギー安全保障という目的――「役に立たない議論」
思想の堕落

6.強靭性を備えた成熟経済へ  原洋之介
歴史的転換期の中で――アジア、それぞれの戦略
「未来のエネルギー」を巡る経緯――資源・エネルギーにアグレッシブな中国
漂流する世界経済のガバナンス――成熟経済を支える強靭性の構築へ

7.トポス喪失への想像力  中島岳志
保守思想のエッセンス――あまりに大きすぎるリスク
地震という国民的宿命――トポスを失った者の悲しみ
進歩と原罪――1982年の吉本隆明
ウルトラ・モダンを蹴っ飛ばす

8.「電気の世紀」を超えて  柴山桂太
谷崎潤一郎の嘆き――「没落」の時代
ハイデガーの『技術への問い』――発電所と風車
危機と「救い」――テクノロジーにこうして、故郷を取り戻す

9.現代文明の宿命  佐伯啓思
隘路に陥る論議――奇妙な構図
ヤスパースの予言――潜在的な危機の中で
「後ろめたさ」を自覚する覚悟

著者紹介

編著者:
西部 邁(にしべ・すすむ):1939年生まれ。評論家。
著書に『生まじめな戯れ』(筑摩書房)、『サンチョ・キホーテの旅』(新潮社)などがある。

佐伯 啓思(さえき・けいし):1949年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科教授。
著書に『日本という「価値」』(NTT出版)、『隠された思考』(筑摩書房)などがある。

富岡幸一郎:1957年生まれ。関東学院大学文学部比較文化学科教授。
著書に『スピリチュアルの冒険』(講談社現代新書)、『非戦論』(NTT出版)などがある。