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なぜ意志の力はあてにならないのか 自己コントロールの文化史

なぜ意志の力はあてにならないのか ダニエル・アクスト 著

ダニエル・アクスト 著

吉田利子 訳

発売日:2011.08.09
定価:3,080円
サイズ:四六判
ISBNコード:978-4-7571-4264-0

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この本の内容

人はなぜ誘惑の罠に落ちるのか。金融危機も肥満や浪費、先延ばしの癖もすべては意志の弱さが原因だ。自らの欲望と闘い続けてきた人類の姿を克明に描き、われわれが己に打ち勝つ方法はあるのか、その謎に迫る。

目次

1.過剰の民主主義
誘惑だらけの世の中で
自己コントロールというジレンマ
無知か病気か、遺伝子か?
自己コントロールとは何か

2.病的な過剰
有害な薬草
体重の問題
未来はいま

3.自分を叱咤して
敵に立ち向かう
文字として刻む
身体に記す

4.便利な発明のコスト
より安価に
より迅速に
より手軽に
テクノロジーの落とし穴

5.繁栄の代価
貨幣という諸刃の剣
アメリカ人とお金
金融危機の教訓

6.自己コントロールと社会の変化
結婚という絆
宗教と制約

7. 古代ギリシャの人々はどう考えていたか
英雄オデュッセイア
都市国家ホリス
意志の弱さという病
導師アリストテレス
さあ飲もう

8.マシュマロ・テスト
「生まれつき」か「経験」か
子どもたちの追跡調査
学校の成績と自己コントロール

9.熾烈な内輪もめ
一つになる状態
三人連れはトラブルのもと
「複数のわたしがいる」

10.心と身体という問題
進化のせいでこうなった
しまった!
ロボトミー
遺伝子

11. 自己コントロール、自由意志、その他の矛盾
プライミング
影響力の生理学
否定形の自由

12.オデュッセウスと伝書バト
スキナーとハーヴァードのハト
未来を割り引きする
カーブ

13.激情による犯罪
犯罪
怒りのコントロール

14.依存、衝動、選択
依存症
インセンティブと依存症
恐るべきピーナツ効果

15.明日があるか
先延ばしはドラッグ
劇場としての先延ばし
先延ばし、罪悪感、屈辱感
動機争い
明日、書こう

16.自由気ままに
努力してたがを緩める
解放されるための緊縛
「存分に生きることだ。そうしないのは間違っている」
集団的な未来志向

17.政府と自律
民主主義の難問
どうすれば政策の効果はあがるか

18.自分のゴッドファーザーになる
プリコミットメントと貧しい人たち
プリコミットメントと父権主義

19.現在を楽しめ
意志の力はあてにならない
地獄は他者ではない
環境を利用する
自動化の進行
ホーマーとネッド


自己コントロールはなぜ難しいか──翻訳者あとがきにかえて

著者紹介

著者:ダニエル・アクスト
ジャーナリスト・作家。
「ニューヨークタイムズ」「ウォールストリート・ジャーナル」などに寄稿している。
訳者:吉田利子(よしだ・としこ)
翻訳家。
訳書に『引き寄せの法則』シリーズ(Softbankクリエイティブ)、『神との対話』シリーズ(サンマーク出版)、『日はまた昇る』(草思社)などがある。