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海賊の経済学 見えざるフックの秘密

海賊の経済学 ピーター・T・リーソン 著

ピーター・T・リーソン 著

山形浩生 訳

発売日:2011.03.22
定価:2,090円
サイズ:四六判
ISBNコード:978-4-7571-2242-0

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この本の内容

海賊は合理的な経済人だった! 海賊という楽しくも意外な例を使って、経済学の概念をわかりやすく解説する。海賊オタクの経済学者による、とてつもない本。

目次

第1章 見えざるフック
1 アダム・スミスさん、こちらフック船長でございます
2 野郎ども、ちょいと待ちやがれ
3 ヨーホーヨーホー、おいらに美味しい暮らし
4 本書を航海するためのコンパス

第2章 黒ヒゲに清き一票を――海賊民主制の経済学
1 海賊一人一票――海賊民主主義と権力のパラドックス
2 海賊分権制
3 犯罪者に万歳三唱?

第3章 アナーキー――海賊の掟の経済学
1 海賊統治(ガバナンス)成功の三つの要点
2 無法者の法――海賊憲法
3 法と鞭打ち――海賊間紛争の防止
4 禁煙よろしく――負の外部性を防ぐ
5 海の盗賊向けセーフティネット――海賊的な公共財の供給
6 全員は一人のため、一人は全員のため――海賊合意の数学

第4章 髑髏と骨のぶっちがい――海賊旗の経済学
1 海賊は平和を望む?
2 海賊とクジャク
3 海賊、なりすまし、一括均衡

第5章 船板を歩け――海賊拷問の経済学
1 おまえ個人に怨みはないが――隠されたお宝探し
2 海賊に手出しするとただじゃおかないぞ――お縄を逃れるには
3 お楽しみと仕事の一致――海賊による正義

第6章 仲間になるか、それとも死ぬか?――海賊リクルートの経済学
1 強制徴用の費用と便益
2 お願いですから強制して

第7章 獲物が同じなら払いも同じ――海賊は平等主義者?
1 黒人海賊
2 費用の集中と便益の拡散、および海賊の奴隷制
3 バッカニアたちは同性愛者?

第8章 海賊に教わるマネジメントの秘訣
海賊のマネジメント入門講座
週1~2 獲物を追ってどこへでも
週3~4 ユートピア建築なんざ、マダガスカルに置いてきやがれ
週5~6 目が潰れて口がきけないほど殴られようと、仲間の規制はごめんだぜ
週7~8 偏見を捨てれば満杯の宝箱が見つかる
週9~10 当局の前では体裁をとりつくれ、失敗したら地獄行き
週11~12 恐怖を商標に

エピローグ 経済学の普遍性
後記 海賊は永遠に不滅です――海賊の没落と再興
情報の出所 本書のみつけたお宝のありか

訳者あとがき

著者紹介

【著者】ピーター・T・リーソン
1979年生まれ。ジョージ・メイソン大学経済学部教授。
2005年に同大学にてPh.D.を取得。ウエスト・バージニア大学助教授を経て、2007年より現職。2009~2010年には、シカゴ大学で客員教授も務めた。小さなときから海賊と経済学に関心をもち、右腕には需要供給曲線の刺青を入れているちょっと変わった経済学者。迷信についての研究も進めている。
本書が代表作であるが、その他の著書に、Media, Development, and Institutional Change(C. Coyneと共著)等がある。

【訳者】山形浩生(やまがた・ひろお)
1964年生まれ。評論家・翻訳家。
東京大学都市工学科修士課程およびマサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務するかたわら、科学、文化、経済からコンピュータまで広範な分野での翻訳、執筆活動をおこなう。
著書に『教養としてのコンピュータ』(アスキー新書)、『新教養主義宣言』(河出文庫)、『訳者解説』(バジリコ)などがある。
訳書に『アニマルスピリット』(東洋経済新報社)、『戦争の経済学』(バジリコ)、『自由は進化する』『誘惑される意志』『〈反〉知的独占』(以上、NTT出版)などがある。