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村から工場へ 東南アジア女性の近代化経験

村から工場へ 平井京之介 著

平井京之介 著

発売日:2011.02.10
定価:2,484円
サイズ:四六判
ISBNコード:978-4-7571-2271-0

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この本の内容

東南アジアの農村がグローバル経済に飲み込まれ、社会や生活が変容する様子を明らかにした、日本では例が少ない労働者のエスノグラフィ。従来の「女工哀史」というとらえ方では見られない、生き生きとした姿が描かれる。

目次

序章 工場のエスノグラフィ
タイ農村女性と工場労働
タイ北部工業団地
調査地の選定理由
フィールドワーク
 工場からの調査許可/住み込んだ農村/日本人であることと調査/男性であることと調査/若い農村女性の生活に与えた変化
本書の構成

第一章 伝統的な仕事観
「仕事」とは何か
 賃金労働と「仕事」/家の仕事/相互扶助と「仕事」
稲刈りの作法
三つの雇用形態
 アオ・ワン/アオ・カオ/ハップ・ジャーン/ハップ・マオ
雇用主と雇用者の関係
 賃金雇用と社会関係/雇用にみられる相互扶助の論理
作業テンポと社会関係
遠慮と思いやり/ゴシップによる統制/名誉の経済/テンポの駆け引きと人格的つながり

第二章 工場の組織とマネジメント
恩田プラスチック
従業員
採用
 面接/採用基準
日本的経営
 意思決定/日本人マネージャーがもつタイ人労働者のイメージ/タイ人労働者がもつ日本人マネージャーのイメージ/試される日本人
コミュニケーション
 媒介者の情報操作/媒介者間の闘争
オフィスと組立課
 事務員の優越性/事務員への敵意/ゴシップによる抵抗

第三章 組立課の実態
組立作業
 流れ作業/疎外された労働/作業テンポの調節/相互扶助の欠如
トレーニング
 新人研修/給与評価/昇進/処罰/離職/離職する理由
組立課の階層秩序
 リーダーの権限/専門知識による権威/伝統的な権威
説得の技術
 権威の盗用/ゲームの提供/甘言/感情のマネジメント
オペレーターの抵抗
 ゴシップ/暴力行為/離職のほのめかし

第四章 グループの余暇活動
余暇のグループ
ロマンチックな語り
霊媒カルト
カタログの消費
 巧みな宣伝/ワクワクする理由
タン・サマイ
 タン・サマイとジャラ―ン
グループと伝統

第五章 家庭生活への影響
生活条件の変化
恋愛の自由
 結婚相手を選ぶ主導権/ふしだらな工場労働者/妻に対する夫の疑念
時間の組織化
家への投資
 家電製品の購入/家を化粧する/新築祝いの儀礼
計算の精神

第六章 工場労働と文化変容
工場労働への適応
近代化の過程
家庭生活の変化
工場労働と自由

著者紹介

平井京之介(ひらい・きょうのすけ)
国立民族学博物館民族文化研究部・准教授。
1988年、東北大学文学部社会学専攻卒業。同年、花王株式会社入社、1992年、ロンドン大学UCL人類学部M.Sc.取得。1995年、国立民族学博物館助手、1998年、ロンドン大学LSE人類学部Ph.D.取得、2001年、国立民族学博物館助教授。2008年、ハーバード大学人類学部客員研究員。