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「生きている」を考える 

「生きている」を考える 中村桂子 著

中村桂子 著

発売日:2010.09.10
定価:2,090円
サイズ:四六判
ISBNコード:978-4-7571-6035-4

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この本の内容

「生きている」とはどういうことか? この問題を考え続けてきた著者が、DNAの二重らせん構造の解明から始まる分子生物学・生命科学の発達の歴史と、つねにその最前線にいた自身の半生を絡めて物語る。

目次

序章
1 世界観を求めて
COLUMN 1 赤ちゃんの幸せと抑制のバランス
2 科学は科学技術に含まれない
COLUMN 2 科学技術基本法
3 〝生きている〟を考える知へのいざない
好奇心ではなく驚きを/機械論からの脱却

第1章 とりあえず生命誌までの道
1 学でなく誌を
2 入口は化学そして生化学へ
COLUMN 3 オサムシが教えてくれること
COLUMN 4 低炭素というおかしな言葉
3 DNAとの出会い

第2章 分子生物学というみごとな一段階
1 物理学から生命へ
2 分子生物学の誕生
3 DNA二重らせん構造の発見
COLUMN 5 DNAのもつ意味も少しずつ変わる
4 DNAがつないださまざまな学問
物理学/ウィルス研究/遺伝学
5 分子生物学、アカデミック時代
COLUMN 6 DNAとは何か

第3章 DNAにできること
1 DNAは複製する
COLUMN 7 DNA合成酵素
2 DNAは読み解かれる
遺伝暗号の発見/調節するはたらき/DNAは変る/外的要因による塩基の変化/複製のときの変化
COLUMN 8 認識という言葉
COLUMN 9 生命の起源
COLUMN 10 紫外線
COLUMN 11 脳が知りたい

第4章 多細胞生物の分子生物学
1 さまざまな試み
ショウジョウバエへのまなざし/ブレンナーの線虫/F・ジャコブの悩み/組換えDNA技術の登場/もっと一般的な組換えDNA技術――制限酵素
COLUMN 12 線虫の系譜
COLUMN 13 アシロマ会議
COLUMN 14 組換えDNA技術
2 遺伝子から生物学を組立てる時代へ
3 ショウジョウバエはやはり大事なモデル
ホメオテック遺伝子の発見

第5章 ヒトというモデル?
1 ガンからの始まり
2 なぜヒトなのか
3 ヒトゲノム解析でわかったこと
遺伝子の分布/偽遺伝子の存在/反復配列/ゲノムの個人差/一塩基多型/その他の多型/ヒトゲノム解析以後の研究/ゲノム研究と医学・医療/生活習慣病とゲノム/個別化医療への道

第6章 やっと生命誌への道
1 もちろん始まりは生命科学
2 バイオテクノロジー
3 生命倫理もバイオテクノロジーも不消化
4 「生命誌研究館」という答
5 文化としての科学・日常の中の科学
6 生命誌研究館の設立
7 自己創出する生命――生成という視点の重要性

終章
1 生きているという現象
普遍と多様、さらには独自/部分と全体/階層性/実験室と自然
2 システムと物語

著者紹介

中村桂子(なかむら・けいこ)
1936年生まれ。JT生命誌研究館館長。
著書に『ゲノムが語る生命-新しい知の創出』(集英社新書)、『「生きもの」感覚で生きる』(講談社)、『自己創出する生命』(哲学書房、毎日出版文化賞受賞)など多数あり。