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ホワッチャドゥーイン、マーシャル・マクルーハン? 感性論的メディア論

ホワッチャドゥーイン、マーシャル・マクルーハン? 門林岳史 著

門林岳史 著

発売日:2009.09.18
定価:3,520円
サイズ:四六判
ISBNコード:978-4-7571-0265-1

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この本の内容

マクルーハンとは何者で、なにをしているのか? 彼独特のパフォーマティヴな言葉遣いに注目し、緻密なテクスト読解からまったく新しいマクルーハンの真実を明かす!

目次

序論 マクルーハンの言語ゲーム――ホワッチャドゥーイン、マーシャル・マクルーハン?
六〇年代のマクルーハン・ブーム
プローブという方法
本書の目的と構成


●第一部 感性論者マクルーハン――理論的読解

第一章 芸術家になること――マクルーハンの理論と方法
「メディアはメッセージである」――二項対立の撹乱
盲目と覚醒のダイナミズム
芸術家になること――メディアの変容をいかに察知するか

第二章 触覚、この余計なもの――共感覚と麻酔
感性論的メディア論――人間の拡張としてのメディア
共通感覚としての触覚性
光学的無意識としての触覚性
新たな感性としての触覚性――共感覚と麻酔


●第二部 美学者マクルーハン――系譜的読解

第三章 「意識の流れ」の制止――感性論的モダニズム
芸術家と芸術形式
感性論的モダニズム――文学批評家マクルーハン
詩的過程の制止――「意識の流れ」論の自己撞着
科学の諸構造―― マクルーハンのジョイス論

第四章 生体解剖的美と探偵的知――ジョイスを読むマクルーハン
生体解剖と顕現――ジェイムズ・ジョイスと『スティーヴン・ヒーロー』
応用アクィナス――スティーヴンの美学理論
探偵的な知と現代性――ポーとボードレール
メディアの神話学に向けて


●第三部 芸術家マクルーハン――時代的読解

第五章 メディアの幼年期――テレビと戦後
アメリカ広告のモダニズム
テレビ――電気時代の象徴
初期メディアとしてのテレビ――「電気の暖炉」
メディアの幼年期――ベンヤミンとマクルーハン

第六章 クールの変容――プローブすること
クールとはなにか――「クール」の起源
クールはなぜそう呼ばれるのか――マクルーハンとレヴィ=ストロース
クールはクールである――言葉遊びとしてのクール

結論 四角形の冒険――図式のパフォーマティヴ
「メディアの法則」とテトラッド
クライン群――構造主義者達の四角形
グレマスの「意味の四角形」
クライン群としてのテトラッド

著者紹介

門林岳史(かどばやし・たけし)
1974年生。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程修了。関西大学文学部総合人文学科映像文化専修助教。専門はメディア論、エピステモロジー研究、表象文化論。主な論文に「G・Th・フェヒナーの精神物理学――哲学と心理学の間、精神と物質の間」『現代思想』28巻5号(2000年)、「探偵、バイオメトリクス、広告――『マイノリティ・レポート』に見る都市の時間と空間」『10+1』40号(2005年)。