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描きかえられた『鉄腕アトム』 

描きかえられた『鉄腕アトム』 小野卓司 著

小野卓司 著

発売日:2008.03.21
定価:3,080円
サイズ:A5判
ISBNコード:978-4-7571-4179-7

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この本の内容

長年をかけて『鉄腕アトム』の初出誌を収集し、4度にわたる単行本化との比較を行い、アトムの各エピソードを紹介するとともに、変更のあったコマを精緻に追う。マンガ研究の一級資料ともなる一冊。

目次

*各エピソード名の後に記す(数字)は、『少年』掲載の年月号を表わす。
★はじめに

★第1章=宇宙からの闖入者
・アトム大使の巻(26/4~27/3)
・気体人間の巻(27/4~10)
・天馬族の砦の巻(33/5~7)
・宇宙ヒョウの巻(35/2~4)
・白熱人間の巻(36/1~3)
・宇宙の寄生虫の巻(37/1~4)
・地球最後の日の巻(39/3~6)
・ロボイドの巻(40/1~5)
・ゾロモンの宝石の巻(42/5~12)

★第2章=長編から短編まで、読み切りの面白さ
・海蛇島の巻(28/8)…助けを求める手紙が入った瓶が黒潮に乗って流れ着く。赤道直下、ポチョムポチョム島とは?(32)
・幽霊製造機の巻(32/1)…自分の影を作りたいと願う独裁者の末路は…。一度ストーリーが縮められ、のちに復元された。(34)
・ブラック・ルックスの巻(32/9)…ロボットを憎む全身黒ずくめの男、その正体は?(43)
・人工衛星SOSの巻(34/夏増刊)…人工衛星に住む一家は、宇宙船に信号を送り続けるいわば宇宙の灯台もり守。(51)


★第3章=どっこい物語は続いていた
・黄色い馬~アルプスの決闘の巻(30/10~31/2)…単行本では別々の話として扱われているが、本来は一つながりの物語。(54)
・マッド・マシーンの巻(33/8~9)…フーラー博士が作ったある装置、スイッチを入れるとあらゆる機械が誤作動してしまう。(63)
・コウモリ伯爵の巻(33/9~34/1)…「マッド・マシーンの巻」の続き。フーラーが名脇役として出演している。(67)

★第4章=アトム兄弟の物語
・コバルトの巻(29/6~9)…アトム二号「コバルト」誕生す。(76)
・ミドロが沼の巻(31/8~11)…知能を持ったトカゲが出現、アトムとコバルトが立ち向かうがコバルトが犠牲となる。(79)
・ウランちゃん(35/8~9)…二分割したロボットが一体ずつでも機能する〝二分の一人間〟。ウラン初出演のエピソード。(83)

★第5章=アトムも時に家出する
・キリストの目の巻(34/1)…殺人光線を持つ危険なロボットと戦ったアトム、親に叱られ家出する。(85)
・イワンのばかの巻(34/2~3)…間違ってロケットに乗り込んでしまったアトムは、月のウラの秘密を知ることになる。(87)
・エジプト陰謀団の秘密の巻(34/4~8)…舞台はエジプト、世界転覆をたくらむ陰謀団との戦い。(90)

★第6章=アトム、東奔西走す
・火星探検の巻(28/12~29/5)…アトム、火星探検隊長となる。(96)
・冷凍人間の巻(30/7)…今度はメキシコへ、そこで出会った冷凍人間とは?(98)
・十字架島の巻(33/1~4)…豊富な地下資源の眠る十字架島で起きた事件。(100)
・地底戦車の巻(34/10~11)…ヒゲオヤジからの救出信号は、何故か地底からだった。(103)

★第7章=人間のエゴの愚かしさ
・フランケンシュタインの巻(27/11~28/4)…ロボット工学をおろそかに扱い始めた人間たちに、そのツケが回ってきた。(105)
・赤いネコの巻(28/5~11)…武蔵野の乱開発による環境破壊をくい止めようと立ち向かうのは〝赤いネコ〟と名乗る謎の男。(108)
・電光人間の巻(30/1)…生まれたばかりで善悪の判断のつかないロボット・電光人間が、悪人に利用されてしまう。(114)
・デッドクロス殿下の巻(35/9~12)…ある男が助手として作ったロボットが、やがて自立しライバルとなる。(116)
・ホットドッグ兵団の巻(36/3~10)…犬の神経を使って作られたサイボーグ・ロボットたち。戦いの舞台は月の世界へ。(119)
・第三の魔術師の巻(36/10~37/1)…人間の魔術師が、ロボット魔術師の秘術を奪おうとする。(124)
・ロボットランドの巻(37/5~9)…エゴな科学者が、ロボットを奴隷なみに使ってレジャーランドを作ろうとするのだが。(126)

★第8章=アイデンティティを求めるロボットたち
・ロボット爆弾の巻(31/12~32/5)…爆弾として作られたロボットが自己増殖し、人間より優れた存在だと信じ込む。(130)
・ロボット宇宙艇の巻(38/7~12)…宇宙空間でロボットが合体して宇宙艇になる。〝部品一つ一つが独立した存在〟なのだ。(135)
・地上最大のロボットの巻(39/6~40/1)…世界最強のロボットを持とうとする国王が際限のない戦いの果てに得たものは。(137)

★第9章=人工知能の反乱
・アトラスの巻(31/3~7)…悪の心「オメガ因子」を取り付けられたロボット・アトラス、人間に手向かう。(139)
・ロビオとロビエットの巻(40/5~9)…家と家との争いは、やがてロボット同士の対決へと発展する。(142)
・青騎士の巻(40/10~41/3)…〝人間に敵対する存在〟と決めつけられた青騎士型ロボットたちの運命は。(144)
・アトム復活の巻(41/3~5)…改造されたアトム、人間にはむかい始める。(148)
・メラニン一族の巻(41/6~8)…ロボットの王子が治める国では、人間が奴隷並みに扱われていた。

★第10章=ガスにもいろいろあるでガス
・ZZZ総統の巻(29/9~12)…人間の知能を低下させるガスを操り、世界征服をたくらむ男の野望。(155)
・若返りのガスの巻(30/2~9)…宇宙から隕石によって運ばれて来たなぞのガス、生物を若返らせるガスだった。(159)
・透明巨人の巻(35/5~7)…物体を別の場所に移動させる装置が壊された。複数の物が混ざり合い、霧となってさまよう。(164)
★第11章=魔の手が伸びる
・アトム対ガロンの巻(37/10~38/2)…地球に間違って落ちてきた〝星の改造用ロボット〟ガロンをめぐる事件。(166)
・悪魔のハチの巻(38/3~6)…このハチに刺された人間は我れを失い、ハチの奴隷となってしまう。(171)
・悪魔の風船の巻(38/12~39/2)…卑劣にも、アトムの形をした空飛ぶ風船爆弾で悪事をはたらく者が現れた。(171)

★第12章=異次元からの来訪者
・ミーバの巻(41/9~12)…過去の時代に存在した物体を現在に呼び出すことのできる四次元少年の物語。(175)

附録:昭和編
    ギャグ編

★あとがき

著者紹介

小野 卓司(おの たくし)
1949年9月27日生。
NHKのエグゼクティブアナウンサー。広島県出身。広島県立因島高等学校、関西大学卒業。1973年入局。釧路→広島→福岡→ラジオセンター→東京の順に勤務。
仕事の傍ら、マンガ研究に取り組む。