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株式会社という病 

株式会社という病 平川克美 著

平川克美 著

発売日:2007.06.15
定価:1,760円
サイズ:四六判
ISBNコード:978-4-7571-2198-0

品切れ

この本の内容

なぜこれほどまでに企業不祥事が繰り返されるのか。原因は経営者個人にあるのではなく、会社そのもののシステムにある。株式会社の抱える問題の本質を捉えた話題の書。

目次

まえがき

第1章 経済的人間――大きくなり過ぎた経済のちから
株式会社とは誰のことか/跋扈する経済的人間/専門書は人間の内面と会社の関係について教えてはくれない/合理性の限界/株式会社の奇妙な性格/フリードマンとスミス/病の両義的な効用/利便性の尺度と異なる豊かさの尺度/所有と経営の分離の起源/所有者の利害と経営者の利害

第2章 信憑論――かれらが会社を愛した理由
会社が輝いていた時代/消えた国民的時間/もしも会社が無かったら/渦中には見えない時代の変換/商品となった会社/職人のエートスとロイヤリティ/残り続けたお家の風土/互酬的共同体の崩壊/会社信仰の黄昏

第3章 幻想論――欲望がつくりあげた幻想
不条理な会社の命令/会社が会社である理由/利益共同体としての会社/人は自ら設定した枠組みの中で思考する/会社には人間の欲望が刻印されている/もともと反社会的だった株式会社

第4章 因果論――結果は原因の中にすでに胚胎し、原因は結果がつくりだす
欲望を駆動する他者/ウロボロスの輪のような原因と結果/事故の「内部化」/他者が誘発する欲望/利息の起源/欲望の共同体と無償の贈与/病の発生――不二家の場合/病の発生――ライブドアの場合

第5章 技術論――『ウェブ進化論』では語りえないこと
ビジネスを変えたインターネット/進化論のあやうさ/インターネット技術と人間関係/インターネットと金融の結合

第6章 倫理論――『国家の品格』と日本人のなし崩し的な宗旨替え
集団的な宗旨替え/落語が伝える見えざる価値/金で買えないもの/近代合理主義とプロティスタンティズム/『国家の品格』の品格なき立ち位置/言葉が欠いてはならない節度/苦難の共有と、会社のエートス

解題と方法――あとがきにかえて


著者紹介

平川 克美(ひらかわ かつみ)
1950年東京生まれ。
早稲田大学理工学部卒。77年(株)アーバン・トランスレーションを設立、同社社長を経て、99年米サンノゼにBusiness Caf, Inc.を設立。現在、同社CEO、(株)ビジネスカフェジャパン社長、(株)リナックスカフェ社長。
著書に、『反戦略的ビジネスのすすめ』(洋泉社)、共著に、『9条どうでしょう』(毎日新聞社)『東京ファイティングキッズ』(朝日文庫)、『東京ファイティングキッズ・リターン』(バジリコ)、『会社は株主のものではない』(洋泉社)などがある。