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現代インドネシアの地方社会 ミクロロジーのアプローチ

現代インドネシアの地方社会 杉島敬志/中村潔 編

杉島敬志/中村潔 編

発売日:2006.08.15
定価:4,290円
サイズ:A5判
ISBNコード:4-7571-4139-4

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この本の内容

中央集権的・強権的なスハルト政権が倒れ、その後、急速な「改革」が進められたインドネシア。抑圧から解放された地方社会に見られる変化とは。豊富なデータに基づく厚みのある分析。

目次

第1部 序
第1章 ミクロロジーのアプローチ(杉島敬志)
第2章 インドネシアの国家統治制度――スハルト後に何がかわったか(佐藤百合)

第2部 行為-知識への焦点あわせ< 第3章 分権化に伴う暴力集団の政治的台頭――バンテン州におけるその歴史的背景と社会的特徴(岡本正明)
第4章 「開発」を振り返る――中カリマンタン泥炭地開拓移住者のミクロロジー(阿部健一)
第5章 地方自治と民主化の進展――バリの事例から(鏡味治也)

第3部 歴史の累積的効果
第6章 西ジャワ伝統芸能と地方分権(福岡正太)
第7章 合議・全員一致と多数決原理の間で――インドネシアの村落会議と村落議会(水野広祐)
第8章 マイクロ・トランスナショナリズム――ボルネオ島西部国境の村落社会誌(石川 登)
第9章 焼畑から来る米、店から来る米――東インドネシア、フローレス島エンデにおける経済の変化と持続(中川 敏)

第4部 コミュニケーションと解釈
第10章 中部フローレスにおけるアダットの現在(杉島敬志)
第11章 「アダット」と「アガマ」のはざまで――バリにおける影絵人形遣いダランの宗教的役割の行方(梅田英春)
第12章 改革期バリの地方メディア(中村 潔)

あとがき(中村 潔)

索引
執筆者紹介

著者紹介

【編者】 杉島敬志(すぎしま たかし) 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授。専攻:社会人類学。 著書に、『人類学的実践の再構築――ポストコロニアル転回以後』(編著、世界思想社)、『土地所有の政治史――人類学的視点』(編著、風響社)などがある。 中村 潔(なかむら きよし) 新潟大学人文学部教授。専攻:文化人類学。 著書に、『バリ島民』(共編、弘文堂)、『神々の島バリ――バリ・ヒンドゥーの儀礼と芸能』(共編、春秋社)などがある。 【著者】 佐藤百合(さとう ゆり) 日本貿易振興機構アジア経済研究所地域研究センター東南アジアI研究グループ長。専攻:インドネシア地域研究、産業・企業研究。 著書に、『インドネシアの経済再編――構造・制度・アクター』(編著、アジア経済研究所)、『民主化時代のインドネシア――政治経済変動と制度改革』(編著、アジア経済研究所)、『インドネシア資料データ集――スハルト政権崩壊からメガワティ政権誕生まで』(編著、アジア経済研究所)などがある。 岡本正明(おかもと まさあき) 京都大学東南アジア研究所助助教授。専攻:東南アジア地方政治論。 著書に、「インドネシア・バンテン州において政治的に台頭する暴力団について――その歴史的背景と社会的特徴」(『インドネシア地方社会のミクロロジー』風響社、所収)、「荒れなかった2004年総選挙――インドネシアにおける「政治と暴力」の歴史をふまえて」(『2004年インドネシア総選挙と新政権の始動――メガワティからユドヨノへ』明石書店、所収)などがある。 阿部健一(あべ けんいち) 京都大学地域研究統合情報センター助教授。専攻:環境人類学、地域研究。 著書に「谷底から見上げた雲南の山」(『山の世界』岩波書店、所収)、「伝統の生成システムの欠如――固定化しない東南アジア」(『〈地域間研究〉の試み(下)』京都大学出版会、所収)、「神の山のゆくえ――雲南の人と森」(『森と人のアジア』昭和堂、所収)などがある。 鏡味治也(かがみ はるや) 金沢大学文学部教授。専攻:文化人類学。 著書に、『バリ島の小さな村で』(洋泉社)、『政策文化の人類学――せめぎあうインドネシア国家とバリ地域住民』(世界思想社)などがある。 福岡正太(ふくおか しょうた) 国立民族学博物館 文化資源研究センター助教授。専攻:民族音楽学。 著書に、『ワヤンの広場――東南アジアの人形と仮面』(共著、千里文化財団)、『「アジア諸民族音楽文化のダイナミズム――伝統と変容-」報告書』(共編、国立民族学博物館)、『ラテンアメリカの音楽と楽器』(共編、NHKきんきメデイアプラン)などがある。 水野広祐(みずの こうすけ) 京都大学 東南アジア研究所 教授。専攻:経済発展論、農業経済学、労働経済学。 著書に、『インドネシアの地場産業――アジア経済再生の道とは何か?』(京都大学学術出版会)、『東南アジアの経済開発と土地制度』(共編、アジア経済研究所)、『東南アジア農村の就業構造』(編著、アジア経済研究所)などがある。 石川 登(いしかわ のぼる) 京都大学 東南アジア研究所 助教授。専攻:社会人類学。 著書に、「空間の履歴――サラワク南西部国境地帯における国家領域の生成」(『地域形成の論理』京都大学学術出版会、所収)、「文化と経済のボーダーランド:ボルネオ南西部国境地帯の調査から」(『国際交流』(83)、国際交流基金、所収)などがある。 中川 敏(なかがわ さとし) 大阪大学 大学院人間科学研究科 教授。専攻:文化人類学。 著書に、『交換の民族誌』(世界思想社)、『異文化の語り方――あるいは猫好きのための人類学入門』(世界思想社)などがある。 梅田英春(うめだ ひではる) 沖縄県立芸術大学 音楽学部・音楽芸術研究科 助教授。専攻:民族音楽学、文化人類学。 著書に、「バリの観光化における「見せる」芸能の生成――文化人類学における観光研究を事例として」(『地域・観光・文化』嵯峨野書院、所収)、「ローカル、グローバル、もしくは「ちゃんぷるー」――沖縄観光における文化の多様性とその真正性をめぐる議論」(『観光開発と文化――南からの問いかけ』世界思想社、年所収)などがある。