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山岳信仰と日本人 

山岳信仰と日本人 安田喜憲 著

安田喜憲 著

発売日:2006.04.12
定価:5,280円
サイズ:A5判
ISBNコード:4-7571-4133-5

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この本の内容

なぜ日本人は、山を聖なるものとみなすのか。どうして巨木をみると注連縄をかけて祈りたくなるのか。どうして御来光をみると手をあわせて拝むのか。この日本人の心性の源流は、遠く数千年もの昔にさかのぼる……。

目次

はじめに 山は天と地の架橋(安田喜憲)
第1部  日本の山岳信仰のルーツは長江文明にある
  第1章 オビシャと長江文明(萩原法子)
  第2章 日本人の山岳信仰と長江流域(李国棟)
  第3章 雷神と観音と山神と――日本の山岳信仰に寄せて(百田弥栄子)
  第4章 山と里の民俗文化的特質(萩原秀三郎)
第2部  立山信仰研究への新たな展開
  第5章 立山信仰研究の視点(米原寛)
  第6章 立山信仰の歴史地理学的研究(岩鼻通明)
  第7章 ミクリガ池年縞堆積物からみた立山信仰の開始――なぜ人は立山に登ったのか?(福澤仁之)
  第8章 立山ミクリガ池の湖底年縞堆積物から産出した大型植物遺体
  第9章 ミクリガ池における過去一九〇〇年間の水質変化――珪質微化石にもとづく推定(加藤めぐみ)
  第10章 ミクリガ池湖底から採取した年縞堆積物からみた立山周辺の過去1300年間の植生変化(藤木利之)
  第11章 山岳植生の変遷史(守田益宗)
  第12章 山岳信仰と女人禁制――立山と羽黒山の比較から(岩鼻通明)
第3部 白山信仰は日本の山岳信仰のルーツか
  第13章 古代の日本海からみた白山と立山(小林道憲)
  第14章 白山垂迹曼茶羅図の六所王子をめぐって(黒田晃弘)
第4部 磐梯山信仰と徳一の再評価
  第15章 大和朝廷律令制国家の確立と会津地域山岳信仰の役割(小佐野峰忠)
  第16章 絹本着色恵日寺絵図を読む――新仏習合を完成させた徳一(簗田直幸)
第5部 山の神々がかたるもの
  第17章 山の神論言説批判のための覚書(金田久璋)
  第18章 仏の衣を着せられた神の山(染川明義)
  第19章 新説・山の神考(佐々木高明)
  第20章 山岳信仰と日本文明の未来(安田喜憲)
あとがき(安田喜憲)

著者紹介

安田 喜憲(やすだ よしのり)
1946年、三重県生まれ。
東北大学大学院理学研究科博士課程退学。理学博士。広島大学総合科学部助手を経て、88年国際日本文化研究センター助教授、94年同センター教授。04年同センター副所長。フンボルト大学客員教授、京都大学大学院理学研究科教授などを歴任。気候変動と人類の生活・歴史の関係を科学的に解明する「環境考古学」の確立者。
著書に『気候変動の文明史』(NTT出版)、『森を守る文明・支配する文明』『龍の文明・太陽の文明』(以上、PHP新書)、『大河文明の誕生』(角川書店)、『日本よ、森の環境国家たれ』『文明の環境史観』(以上、中公叢書)など多数。