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東アジアのエネルギーセキュリティ戦略 持続可能な発展に向けて

東アジアのエネルギーセキュリティ戦略 藤井秀昭 著

藤井秀昭 著

発売日:2005.11.11
定価:3,740円
サイズ:A5判
ISBNコード:4-7571-2159-8

品切れ

この本の内容

従来、各国単位で考えられてきたエネルギーセキュリティは現在、地域単位で捉えるべき新しい概念へと構造が変化してきている。変化の内容を分析し、東アジアにおける持続的な発展を目指す戦略を検討する。

目次

まえがき
本書で使用する略語の正式名称および日本語訳

序章 東アジアのエネルギーセキュリティとは何か
1 東アジアのエネルギーセキュリティの定義
1.1 東アジア
1.2 エネルギーセキュリティ
2 東アジアのエネルギーセキュリティ概念と変遷
2.1 伝統的なエネルギーセキュリティの概念
2.2 新たなエネルギーセキュリティの概念
3 なぜ東アジアのエネルギーセキュリティが重要か
序章・参考文献
序章・注


第1部 概念とその変容
第1章 東アジアにおける伝統的なエネルギーセキュリティ
1 枠組みと特徴
1.1 石油供給保障問題
1.2 供給サイド重視と国家の強調
2 石油供給重視の国家エネルギーセキュリティとは何か
2.1 最善の1次エネルギー源別消費構成(ベストミックス)
2.2 エネルギー自給率
2.3 輸入エネルギー供給源の分散
2.4 緊急時対策の確保(東アジアの石油備蓄体制)
3 東アジアのエネルギー供給源の分散化
3.1 高まる東アジアにおける石油輸入の中東依存度
3.2 石油海上輸送のシーレーン問題
4 緊急時石油備蓄制度の保有
4.1 日本での国家石油備蓄放出時の4つの枠組み
4.2 脆弱な東アジアの石油備蓄
5 安定供給と経済効率のトレードオフ
(日本の石油製品の輸入自由化の事例)
5.1 日本の石油製品輸入
5.2 「特石法」存廃をめぐる論議の枠組み
5.3 「特石法」廃止(石油製品の輸入自由化をめぐる2つの論点
第1章・参考文献
第1章・注

第2章 東アジアにおける新たなエネルギーセキュリティ
1 セキュリティ概念の修正
2 新たなエネルギーセキュリティの枠組みと特徴
3 新たなエネルギーセキュリティにおける石油供給保障問題
4 原子力利用とエネルギーセキュリティ
5 エネルギー消費起因の環境安全保障問題
5.1 東アジアのエネルギー消費動向
5.2 東アジアの大気環境質の現況
5.3 酸性雨による越境汚染問題
5.4 地域的な環境保全協力の枠組み作りの必要性と問題点
5.5 アジアに対する日本の環境技術協力の現状と問題点
5.6 日米の環境技術協力の相違点
6 東アジアのエネルギー戦略オプション
第2章・参考文献
第2章・注


第2部 モデル分析と今後の政策
第3章 世界エネルギー需給モデル
1 モデル・シミュレーションとモデルの特徴
1.1 モデル・シミュレーションとは何か
1.2 本モデルの特徴
2 世界エネルギー需給モデルの構造
2.1 モデルの概要
2.2 モデル上の地域区分
2.3 モデル上のエネルギーの取扱い
2.4 モデル上のエネルギー転換装置
2.5 線形計画法
2.6 1次エネルギー供給のコスト・ステップ関数の考え方
3 世界エネルギー需給モデル・シミュレーションの主要前提条件
3.1 エネルギー需要
3.2 資源量と供給コスト
4 中国省別区分と中国データの説明
4.1 中国省別区分
4.2 中国省別の経済成長率の想定
4.3 中国省別のエネルギー需要想定
5 その他の利用データ
5.1 二酸化炭素排出制約量
5.2 転換装置の既存設備容量
5.3 転換装置コストなど
第3章・参考文献
第3章・注

第4章 世界エネルギー需給モデルによるシミュレーションと計算結果
1 シミュレーションの概要
2 持続可能な発展実現のためのシナリオ設定
2.1 第1ステップ:シナリオ・ケースの設定
2.2 実行可能解と実行不可能解の判別
2.3 第2ステップと第3ステップ:C2シナリオを実行可能解とするための対策方針を導入したシナリオの設定
3 モデルによる計算結果と対策オプションの定量評価
3.1 第1ステップでのシナリオ別のモデル計算結果と解析
3.2 第2ステップでのシナリオ別のモデル計算結果と解析
3.3 第3ステップでのシナリオ別のモデル計算結果と解析
第4章・参考文献
第4章・注

終章 東アジアのエネルギーセキュリティに関する政策的含意と提言
1 分析の結果
2 東アジアのエネルギーセキュリティ確保のためのいくつかの提言

あとがき
索引

著者紹介

藤井 秀昭(ふじい ひであき) 株式会社三菱総合研究所・地球環境研究本部主任研究員、京都大学博士(エネルギー科学)。 早稲田大学政治経済学部卒業後、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修了。 京都大学大学院エネルギー科学研究科エネルギー社会・環境科学専攻博士後期課程修了。株式会社三菱銀行、株式会社日本総合研究所、財団法人日本エネルギー経済研究所を経て、1997年より現職。 専攻は、エネルギー経済学、環境経済学、国際経済学、エネルギー政策論、環境政策論、エネルギー安全保障論。 <主要著書等> 植草益編『エネルギー産業の変革』(第9章執筆・NTT出版、2003年)、バリー・C・フィールド著『環境経済学入門』(共訳・日本評論社、2002年)、N.ハンレー/J.ショグレン/B.ホワイト著『環境経済学 理論と実践』(第5章翻訳・勁草書房、2005年)。