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「虫プロダクション保有のアニメーション資料のデータベース化、保存のためのデジタル化プロジェクト」について

平成29〜30年度メディア芸術アーカイブ推進支援事業
「虫プロダクション保有のアニメーション資料のデータベース化、保存のためのデジタル化プロジェクト」について

  • 平成29〜30年度メディア芸術アーカイブ推進支援事業
    「虫プロダクション保有のアニメーション資料のデータベース化、保存のためのデジタル化プロジェクト」について

2019年4月12日

平成29〜30年度メディア芸術アーカイブ推進支援事業
「虫プロダクション保有のアニメーション資料のデータベース化、保存のためのデジタル化プロジェクト」について

 平成29〜30年度に文化庁より補助金を受けてNTT出版が実施した上記事業について、
その成果の一部を公開いたします。


・本プロジェクトの目的
  本プロジェクトの目的は日本有数の歴史をもつアニメプロダクションである
虫プロダクションが保有するアニメーション関連資料の目録(データベース)作成、
保存のためのデジタル化することを目的としております。
 日本で最初のTVアニメーションを制作し『鉄腕アトム』や『あしたのジョー』で
知られる同社は、その歴史の中で多くの作品を制作してきました。制作元として
多くの一次資料を保有し、人気作品については多様な形でその資料が流通する一方、
その他の作品資料は日の目を見ないものも多く存在します。
 これらの虫プロダクションの資料は、アニメーション黎明期からの貴重な資料であり、
かつ日本のアニメーションの歴史そのものともいえることから、保存は急務と考えました。
 同時に、保存し整理することで今後のアニメーション発展のための資料や、研究に
資する資料として、また海外に向けて発信するための素材として活用することができる
のではないかと考え、本プロジェクトに取り組んでまいりました。

 

・平成29〜30年度に整理・目録化・デジタル化を行った資料
 平成29(2017)年度の事業では主に1973年以前(いわゆる旧虫プロが手がけた作品)
の資料を中心に、1,689件の資料を目録化しました。
 平成30(2018)年度には上記に加え、1973年以降(いわゆる新虫プロが手がけた作品)
の資料を中心に819点の資料を目録化しました。
 また、資料のデジタル化については2017年度6,400点、2018年度7,119点の資料を
スキャンし、デジタル化を行いました。
 資料は平面状態のものばかりではなく、反っていたり大型ものも多く、フラット
ベッドタイプのスキャナではすべてをデジタル化 することが困難ななため、
デジタル化の手段、方法そのものの検討も行いました。
 2018年度は非接触型のスキャナも用いて、紙が反ってしまったり、曲がって
しまった資料のスキャンも実施しました。また、紙資料だけでなくセル画の
スキャンも行い、セル画保存の方法研究も行いました。

 

・デジタル化を行った資料の一部(平成29年度)

「わんぱく探偵団」絵コンテ



(c)江戸川乱歩/虫プロダクション

 

・デジタル化を行った資料の一部(平成30年度)

曲がった状態の資料のデジタル化例
『ワンダービートスクランブル』26話カット袋(セル画、背景、シート)



(c)虫プロダクション

セル画の保存方法の試行例。
透過する部分がわかるようにデジタル化するために、
セル画の背景に複数種の色紙を置いてスキャンを行っている。
『綿の国星』(セル画、背景、撮影指示セル)



(c)大島弓子・白泉社/虫プロダクション

 


 整理した資料の中には、過去の実現しなかった作品の企画書など、興味深い 資料も存在していました。

(c)虫プロダクション



本プロジェクトの内容は、後日書籍にて公刊するべく企画しております。


<本件に関する問い合わせ先>
NTT出版株式会社 企業編集本部
担当:植草

本件に関するお問い合わせはNTT出版のWebサイトの「お問い合わせ」フォームよりお願いいたします。