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書籍出版

当社のオススメ本

おいしい! たのしい! ためになる!
NTT出版の「食」の本

かたくてむずかしい本ばかり、というイメージが強いNTT出版の本。実は、私たちにとって身近な「食」や「料理」、それに関連した環境・食システムといった本も刊行しているのです。
今回は「食欲の秋」「読書の秋」ということで、「食」にまつわる15冊をご紹介いたします。

まずはおススメの「新刊書」から

食の未来のためのフィールドノート「第三の皿」をめざして

食の未来のためのフィールドノート・上 食の未来のためのフィールドノート・下
  • 「ニューヨーク・タイムズ」紙ベストセラー
  • 「ジェームズ・ビアード賞」(料理界のアカデミー賞)受賞

ダン・バーバー 著 / 小坂恵理 訳

(上)土と大地 (下)海と種子

2015年09月18日 刊行

日本でもファンの多いニューヨークのレストラン〈ブルーヒル〉のオーナーシェフが、現代のフードシステムの問題に切り込み、私たちがめざす「未来の食」とはどういうものかを考え抜いた感動のノンフィクション。

「ミシュラン★★★」の高評価を得る彼のレストランは、「ファーム・トゥ・テーブル(農場から食卓へ)」をかかげ、レストランに隣接する農場から食材を調達するという徹底ぶりで有名ですが、そのこだわりは、今回の本でもいかんなく発揮されます。

著者のダン・バーバーは、生物多様性に配慮したおいしい養殖魚があるときけばスペインへ、また、自分のレストランの厨房が小麦粉だらけなのに、自分は小麦のことについて何も知らないとはたと気付けば、小麦の有機栽培農家のもとを訪れ、その歴史を身をもって学び、自ら新しい小麦の品種の育成にも挑戦してしまいます。その抜群の好奇心とフットワークには思わず舌を巻いてしまうことでしょう。

おいしくて、真に持続可能な「食」とはどういうものか? 10年の歳月をかけてその問いに向き合い続けた彼が、最後にみつけた答えとは? アル・ゴア(米国元副大統領・ノーベル平和賞受賞)、服部幸應(食育研究家・料理評論家)も絶賛の感動のノンフィクション。読書の秋、食欲の秋にぜひおすすめの新刊です。


さて、 次にご紹介するのは、弊社のロングセラー。欧米ではフードジャーナリストして人気の高いマイケル・ポーランの作品です。

人間は料理をする

人間は料理をする・上 人間は料理をする・下

マイケル・ポーラン 著 / 野中香方子 訳

(上)火と水 (下)空気と土

2014年03月13日

『雑食動物のジレンマ』(東洋経済新報社)でも知られるフードジャーナリストが、火・水・空気・土という自然界の四大元素に則り、バーベキュー、鍋料理、パン、発行食品を掘り下げます。自ら料理の達人に弟子入りして料理修業をおこない、修業を通じて得たさまざまな気づきを、博覧強記な知識を交えて語ります。「朝日新聞」(島田雅彦氏)ほか各紙絶賛の極上のフードエンターテイメント。


つぎに、もう少しインテリジェントな読者の皆様向けにおススメの、食や料理を文化論的に読み解いた作品をふたつ、ご案内いたします。秋の夜長に「食の文化史」など紐解いてみられてはいかがでしょうか。

食の500年史

食の500年史

ジェフリー・M・ピルチャー 著 / 伊藤茂 訳

中世以降の世界の食文化は、いかにしてつくられたのか?政治、経済、民族、環境など様々な要素が複雑にからみあう世界の「食」の歴史を、コロンブスの交換から現代の遺伝子組替食品に至るまでの500年の流れの中でダイナミックに読み解いた書。ウンチクネタにも使える便利な一冊としてご堪能下さい。

火の賜物ヒトは料理で進化した

火の賜物

リチャード・ランガム 著 / 依田卓巳 訳

「火の使用」と「料理の発明」こそが、ヒトの脳を大きくし、女性の役割を変えた。数多ある生命の歴史のなかでも特筆すべきこの二つの能力は人間にしかないものです。料理は食物の価値を高め、人間の体、脳、時間の観念、社会を変化させたという「料理仮説」の提唱者であるハーバード大学教授が、そのユニークな仮説を一般の読者むけにわかりやすく説き明かします。人類進化の新しい世界への招待。


さて、季節は「秋」。「食欲の秋」です! おいしいものを食べること、飲むことは、すべての人を幸せにします。以下にご案内するのは、料理やワイン、旅を愛するみなさまに、ぜひお手にとっていただきたい三冊です。

田園のイタリアへ!アグリトゥリズモの旅

田園のイタリアへ!

篠利幸 著

アグリトゥリズモとは、自然豊かな農村などで休暇などを過ごす滞在型の旅のこと。清澄な空 気に包まれ、野生の草花や森から聞こえてくる鳥のさえずりの中でゆったりと読書したり、郊 外の小さな村の教会や遺跡を訪ねたりすることで、風光明媚な田園でイタリアならではの歴史に育まれたおいしい郷土料理を満喫してみては?

ワインで考えるグローバリゼーション

ワインで考えるグローバリゼーション

山下範久 著

ワイン・エキスパートの資格をもつ歴史社会学者が、世界中のワインの歴史と現在を多角的に とらえることで、グローバリゼーションをリアルにとらえ直す斬新な試み。ワイン好きの方の 薀蓄ネタとしてもご活用いただけるインテリジェントでユニークな一冊です。

本当に美味しい中国料理が食べたい

本当に美味しい中国料理が食べたい

中西純一 著

⻑年培ってきた食材の知識をもとに、中国料理の本場香港・北京をはじめ東京の数々の名店への取材を行い、日本で「シノヴェリ」(正宗中国料理=正統派中国料理)が食べられる代表的な店を紹介。また、正統派中国料理を見分ける方法を詳しく伝授します。本書を読み実践していただければ、世界のどこにいても「本当に美味しい中国料理」に必ず出会えることでしょう。

自由が丘スイーツ物語ケーキで人を幸せにする街

自由が丘スイーツ物語

阿古真理 著

「スイーツの街」「文化の街」として古くから多くの人に愛される東京・自由が丘。そんな自由が丘の歴史に洋菓子の歴史を重ね合わせ、この町で育まれた豊かなスイーツ文化を浮かび上がらせます。おいしくて美しいケーキに隠された物語の数々を、いざ、ご賞味あれ。


おいしいものばかり食べていると、なにやらあのことが気になってきます。そう、「ダイエット」です! 次は、私たちの体の仕組みを進化論的に読み解き、体にいい食事法とは何かを考えた作品をご紹介しましょう。私たちの食生活は飛躍的に豊かになった反面、飽食や運動不足が健康にもたらす深刻な弊害も指摘されています。

加速する肥満なぜ太ってはダメなのか

加速する肥満

ディードリ・バレット 著 / 小野木明恵 訳

ヒトはなぜ太ってしまうのか? 著者によると、もともと狩猟民族であった人類は食料不足に対処すべく環境に適応して自らの身体を進化させてきた結果、脂肪が体に蓄えられやすい体質を持つようになったと指摘します。現代の食生活と肥満の問題を進化論・行動医学の観点で読み解き、理想的な食生活とはどういうものかを詳らかにしながら、ダイエットにまつわる誤解を一刀両断します。


「食」といえば、私たちの食糧を供給する「食システム」のあり方も注目されます。日本の農業、漁業のありかたはどうなっているのでしょうか。以下にご紹介するのは、いずれも一歩踏み込んで、この国の食糧システムの実態に警鐘を鳴らす問題作です。

日本の食と農危機の本質

日本の食と農

神門善久 著

すさむ食生活、荒廃する優良農地。この国の食と農が崩壊の道を辿りつつある原因はどこにあるのか? 神門氏はこれらの問題の本質を「市民(農民および消費者)の怠惰と無責任」にあると看破します。食と農という身近な枠組みを通じて、日本社会が陥る集団的誤解を衝いた話題作。第28回「サントリー学芸賞」受賞(政治経済部門)。

漁業という日本の問題

漁業という日本の問題

勝川俊雄 著

1970年代から衰退が始まったとされる日本の漁業が、持続的かつ生産的な産業に生まれ変わることができれば、衰退に向かう各種産業に多くのヒントを与えることができるはず。本書は、水産資源管理を専門とする著者が、日本の漁業の現状や問題点を明らかにし、漁業再生に成功した諸外国の改革事例を分析することで、日本漁業再生への道筋を示します。


閑話休題。つぎにご紹介するのは、少しユニークな一冊。私たちの地球環境を守るために、都市の高層ビルで農作物を供給するという非常に斬新なアイデアを打ち出し、欧米の関係者の間 で話題となった一冊です。

垂直農場明日の都市・環境・食料

垂直農場

ディクソン・デポミエ 著 / 依田卓巳 訳

地球環境を壊さずに、おいしくて健康にいい食物を得るには? 世界人口が増加しつづけても人類が飢えずにいるためには? これらの難題を解決する方法として打ち出されたのが、「垂直農場」です。都市生活を送りながら高層ビルで1年中安定して農作物を得るという、このユニークな技術がひらく輝かしい未来を描きます。


最後に、「読書の秋」にふさわしいエッセイ・読み物をご紹介いたしましょう。エッセイの名手・ 本間千恵子さんによる幸せに満ちた食卓のお話、野菜本来の味を最大限に引き出すユニークな農法を編み出した永田照喜治さんのロングセラーです。

誇り高き老女たちの食卓

誇り高き老女たちの食卓

本間千枝子 著

オリーヴ農園の再生、幻の水晶文旦と情熱の栗焼酎の誕生、豚と人間の絆など、四世代にわたる家族、友人、世界を旅して出会った味と人々をめぐり、食べること、作ること、そして語らうことの幸せに満ちた百年の食卓の物語。

食は土にあり

食は土にあり

永田照喜治 著

人は風土によってつくられる。風土は人に食べ物を与え、水を恵み、厳しくも快適な環境をもたらす。やせた岩山で育てたみかんの美味しさにヒントを得て、厳しい環境のもとで野菜本来の活力を最大限に引き出す「永田農法」を確立した著者の研究の集大成。

食は庭にあり家庭菜園で自給力をつけよう

食は庭にあり

永田洋子 著 / 永田照喜治 監修

人は土を通して「生きる力」を養う。食べ物を育てることで、子どもたちは「心」を育て、「五感」を養う。永田農法が長年提唱してきた家庭菜園や市民農園の試みから、食と農における自給力の大切さを考えます。


NTT出版の「食」関連の本の数々、お楽しみいただけましたでしょうか。この機会にぜひお手にとっていただき、ご一読賜れれば幸甚に存じます。

(文責 NTT出版 出版本部 編集担当 宮崎志乃)

次回をお楽しみに。